腟欠損症
概要
腟欠損症は、先天的または後天的に腟の一部または全体が欠損する疾患である。主に先天異常として発生し、月経異常や不妊の原因となる。治療には形成手術や補助的療法が用いられる。
要点
- 先天性の女性生殖器発育異常の一つ
- 月経異常や性交困難、不妊の原因となる
- 治療は手術的腟形成術が中心
病態・原因
腟欠損症は、胎生期にミュラー管の発育障害や癒合不全によって発症する。まれに外傷や感染、腫瘍治療後の後天的欠損も存在する。ミュラー管異常の一部として他の生殖器奇形を伴うことが多い。
主症状・身体所見
無月経や周期的下腹部痛、性交困難が主な症状である。外陰部の腟入口部が閉鎖している場合や、腟長が極端に短い場合がある。しばしば子宮奇形や腎奇形を合併する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 画像検査(MRI・超音波) | 腟の欠損・短縮、子宮や他臓器の合併異常 | 子宮・腎の形態評価も重要 |
| 婦人科診察 | 腟入口部の閉鎖、腟長短縮 | 外陰・腟の形態観察 |
MRIや超音波検査で腟の欠損部位や範囲、合併する子宮・腎奇形の有無を確認する。診断は身体所見と画像検査の総合的判断による。
治療
- 第一選択:手術的腟形成術(McIndoe法、シグモイド腸利用など)
- 補助療法:腟拡張器による保存的拡張療法
- 注意点:術後の再狭窄予防や合併奇形の評価が必要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 処女膜閉鎖症 | 腟は存在し処女膜のみ閉鎖 | 超音波で腟腔拡張像 |
| 腟閉鎖 | 腟の一部閉鎖で不全型 | MRIで閉鎖部位明瞭 |
補足事項
腟欠損症はMayer-Rokitansky-Küster-Hauser(MRKH)症候群の主要な表現型の一つであり、心理的サポートや長期フォローも重要となる。