イチゴ状血管腫
概要
イチゴ状血管腫は主に乳幼児に発生する良性の血管腫で、鮮紅色の隆起性皮疹を特徴とする。出生直後から数週間以内に出現し、多くは自然退縮するが、部位や大きさによっては治療介入が必要となる。
要点
- 乳幼児に好発する良性血管腫
- 多くは自然退縮するが一部は治療対象
- 皮膚以外の臓器にもまれに発生
病態・原因
毛細血管の異常増殖によって発症し、血管内皮細胞の増殖が急速に進む。出生時には目立たないことが多いが、生後数週間で急速に増大する。明確なリスク因子は不明だが、早産や低出生体重児で発生頻度が高いとされる。
主症状・身体所見
鮮紅色で表面がざらついた隆起性病変が皮膚に出現し、いわゆる「イチゴ状」の外観を呈する。主に顔面や頭頸部に好発し、圧迫しても退色しにくい。まれに潰瘍化や出血、機能障害をきたすことがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚視診 | 鮮紅色隆起性病変 | 典型例で診断可能 |
| 超音波検査 | 低エコー域を示す血管性腫瘤 | 深部病変の評価に有用 |
| MRI | 境界明瞭な血管性腫瘤を認める | 広範囲や深部病変で施行 |
典型的な皮膚所見で診断はほぼ確定するが、深部や臓器内病変、鑑別診断が必要な場合には超音波やMRIが行われる。
治療
- 第一選択:経過観察(自然退縮が見込まれる場合)
- 補助療法:β遮断薬(プロプラノロール内服)、レーザー療法
- 注意点:潰瘍化や機能障害、整容上問題があれば早期治療を考慮
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| ウンナ母斑 | 平坦で淡紅色、成長とともに薄くなる | 皮膚視診で区別可能 |
| カポジ肉腫 | 紫紅色~暗赤色、成人・免疫不全で多い | 生検やウイルス検査で区別 |
補足事項
近年、β遮断薬(プロプラノロール)の内服が重症例や合併症例の第一選択治療として確立された。自然退縮が多いが、視覚や呼吸障害などのリスク部位では早期介入が推奨される。