ウンナ母斑
概要
ウンナ母斑は、出生時から存在する毛細血管の拡張による赤色斑で、主に後頸部や前額部、眉間部などに出現する。自然消退することが多いが、部位によっては成人まで残存する場合もある。良性の血管性母斑であり、特別な治療を要することは少ない。
要点
- 新生児の約30~40%に認められる先天性の毛細血管拡張性母斑
- 後頸部や前額部、眉間、上眼瞼などに好発
- 多くは成長とともに自然消退するが、後頸部では残存しやすい
病態・原因
皮膚の浅在性毛細血管叢が生理的に拡張した状態であり、血管構造の異常や血流動態の変化が関与する。遺伝的素因や環境要因は明確ではない。
主症状・身体所見
境界不明瞭な淡紅色~赤色の斑として出生時より認められ、圧迫で退色する。泣いたときや体温上昇時に色調が増強することがある。自覚症状はなく、疼痛や腫脹も伴わない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診 | 境界不明瞭な淡紅色斑、圧迫で退色 | 典型例は視診のみで診断 |
| ダーモスコピー | 血管構造の拡張を確認 | 他の母斑との鑑別に有用 |
視診で診断がつくことが多く、特別な検査は不要。鑑別困難な場合はダーモスコピーが参考となる。画像検査や生検は通常行わない。
治療
- 経過観察:多くは自然消退を期待し経過観察
- レーザー治療:成人まで残存し美容的問題があれば検討
- 注意点:後頸部では残存しやすく、無治療経過が基本
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 太田母斑 | 青灰色調、顔面片側性、眼球結膜色素沈着 | ダーモスコピーで色素沈着確認 |
| イチゴ状血管腫 | 隆起性、鮮紅色、増大傾向 | 超音波で腫瘤性確認 |
| サーモンパッチ | 顔面正中部、自然消退傾向 | 臨床経過で鑑別可能 |
補足事項
ウンナ母斑は良性であり、健康上の問題を生じることはない。後頸部のものは「stork bite」とも呼ばれる。自然経過を見守ることが原則である。