Kasabach-Merritt症候群

概要

Kasabach-Merritt症候群は、乳幼児に発生しやすい血管腫に伴う重篤な血小板減少と消費性凝固障害(DIC)を特徴とする疾患。血管腫内での血小板・凝固因子の消費により出血傾向を呈する。治療には血管腫のコントロールと凝固障害への対応が重要となる。

要点

  • 血管腫に起因する血小板減少とDICが主徴
  • 乳幼児に多く、皮膚の紫斑や出血が目立つ
  • 生命予後に関わるため早期診断・治療が必須

病態・原因

主にカポジ型血管腫や類縁の血管腫において、腫瘍内で血小板や凝固因子が著明に消費されることで発症する。血管腫内の異常血管増生がトリガーとなり、微小血栓形成と線溶活性の亢進をきたす。

主症状・身体所見

皮膚や皮下に巨大な血管腫が認められ、進行性の紫斑や点状出血がみられる。全身性の出血傾向(鼻出血、消化管出血など)や貧血、ショック症状を呈することもある。

検査・診断

検査所見補足
血算著明な血小板減少貧血も伴いやすい
凝固系PT・APTT延長、FDP上昇DIC所見
画像検査(超音波・MRI)血管腫の存在・範囲腫瘍内部の血流評価

血管腫の存在を画像で確認し、血小板減少・DIC所見を伴うことが診断の根拠となる。鑑別のために他の血小板減少性疾患や血管腫との違いも評価する。

治療

  • 第一選択:ステロイド投与やビンカアルカロイド、インターフェロン療法
  • 補助療法:血小板・新鮮凍結血漿輸血、腫瘍塞栓術、外科的切除
  • 注意点:過剰な輸血は腫瘍増大のリスク、感染や再発に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
播種性血管内凝固(DIC)血管腫の有無血管腫がKasabach-Merrittで必発
特発性血小板減少性紫斑病血管腫なし、出血傾向血管腫・DIC所見なし
血管腫単独血小板減少・DICなし血小板正常、凝固異常なし

補足事項

近年、シロリムスなどmTOR阻害薬の有効例も報告されている。治療抵抗例や再発例では多剤併用や外科的治療も考慮される。

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