Down症候群
概要
Down症候群は21番染色体が過剰となることによる先天性染色体異常症であり、知的障害や特徴的顔貌、心奇形など多彩な合併症を呈する。出生頻度は約800〜1000出生に1例とされ、生命予後やQOLは合併症の管理により大きく左右される。
要点
- 21トリソミーによる先天性染色体異常
- 知的障害と特徴的顔貌が主徴
- 心疾患など多臓器合併症が多い
病態・原因
21番染色体が1本多い(トリソミー21)ことにより発症し、母体年齢の高齢化がリスク因子とされる。非分離や転座型など染色体異常のタイプがある。
主症状・身体所見
筋緊張低下、知的障害、特徴的顔貌(つり上がった眼裂、平坦な顔、舌突出)、手掌の猿線、短指、先天性心疾患(房室中隔欠損など)を認める。消化管や甲状腺、免疫系の異常も合併しやすい。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 染色体分析 | 21トリソミーの確認 | 標準型・転座型・モザイク型を判別 |
| 超音波検査 | 心奇形・腸管異常の有無 | 胎児期スクリーニングにも有用 |
| 血液検査 | 甲状腺機能低下・白血球減少など | 合併症の評価 |
出生前診断では母体血清マーカーや羊水染色体検査が行われる。出生後は特徴的臨床像と染色体検査で確定診断する。
治療
- 第一選択:合併症ごとの対症療法・外科治療
- 補助療法:リハビリテーション・発達支援・早期療育
- 注意点:感染症予防・定期的な合併症スクリーニング
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 18trisomy | 重度発達遅滞・特徴的な手指屈曲 | 18番染色体トリソミー |
| 13trisomy | 口唇口蓋裂・多指趾・重度脳奇形 | 13番染色体トリソミー |
補足事項
Down症候群患者の平均寿命は大きく延長しつつあり、成人期の合併症管理や社会参加支援も重要な課題となっている。