先天性風疹症候群

概要

先天性風疹症候群は、妊娠初期に母体が風疹ウイルスに感染することで胎児に発症する先天異常の総称。主に心奇形、白内障、難聴など三大症状を呈し、その他の多臓器障害もみられる。予防には妊娠前の風疹ワクチン接種が重要となる。

要点

  • 妊娠初期の母体風疹感染が主因
  • 三大症状(心疾患、白内障、難聴)が特徴
  • 予防はワクチン接種が最重要

病態・原因

妊娠中、特に妊娠12週までに母体が風疹ウイルスに感染すると、胎盤を通じて胎児にウイルスが感染し、発育中の臓器に障害を及ぼす。ウイルスが細胞分裂や臓器形成を阻害することで多彩な先天異常が生じる。

主症状・身体所見

代表的な三大症状は先天性心疾患(動脈管開存症など)、白内障、感音性難聴である。その他、小頭症、肝脾腫、低出生体重、紫斑など多臓器障害や発達遅滞を伴うことがある。

検査・診断

検査所見補足
聴力検査感音性難聴新生児期からの難聴スクリーニング
眼科検査白内障、網膜症眼底検査やスリットランプ検査
心エコー先天性心疾患動脈管開存症などの評価

臨床症状と母体の感染歴から疑い、ウイルス特異的IgM抗体やPCRによるウイルス遺伝子検出で確定診断となる。画像検査で脳や内臓の異常も評価する。

治療

  • 対症療法:各臓器障害ごとに専門的治療
  • リハビリテーション:聴覚・視覚・運動発達支援
  • ワクチン:妊娠前女性への風疹ワクチン接種が予防に必須

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
TORCH症候群他ウイルス感染による多臓器障害サイトメガロやトキソプラズマ抗体検査陽性
先天性サイトメガロウイルス感染症難聴・肝脾腫・小頭症CMV抗体・ウイルスDNA検出
Down症候群特徴的顔貌・精神遅滞・心疾患染色体検査で21トリソミー

補足事項

ワクチン未接種女性の妊娠前スクリーニングが推奨される。集団免疫の維持が社会的にも重要であり、風疹流行時は妊婦への感染予防策が必須である。

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