食道癌
概要
食道癌は食道粘膜に発生する悪性腫瘍で、主に扁平上皮癌と腺癌に分類される。進行が早く、リンパ節転移や他臓器転移をきたしやすい。喫煙・飲酒や食道疾患の既往が主なリスク因子である。
要点
- 早期発見が難しく進行癌で診断されることが多い
- 喫煙・飲酒が主要なリスク因子
- 内視鏡・画像診断・生検が診断の中心
病態・原因
食道癌は食道粘膜の上皮細胞が異常増殖し、悪性腫瘍となる疾患である。喫煙や大量飲酒、熱い飲食物の摂取、バレット食道などが発症リスクを高める。扁平上皮癌が日本では多く、欧米では腺癌の割合が増加している。
主症状・身体所見
嚥下困難や嚥下時痛が初発症状として多く、進行例では体重減少や嗄声、咳嗽、出血による貧血などもみられる。頸部や鎖骨上リンパ節の腫脹、胸骨後部痛なども認められることがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 上部消化管内視鏡 | 潰瘍型・隆起型・びらん型病変、狭窄 | 生検により確定診断 |
| 生検組織診断 | 扁平上皮癌または腺癌の証明 | 病理組織で癌細胞を確認 |
| 造影CT/MRI | 壁深達度・リンパ節・遠隔転移の評価 | 病期診断・治療方針決定に必須 |
内視鏡検査による病変確認と生検による組織診断が必須である。CTやMRIで進展度(T,N,M分類)を評価し、PET-CTも遠隔転移の検索に有用。バリウム造影は狭窄・不整像の確認に用いる。
治療
- 第一選択:手術(食道切除・再建)、または化学放射線療法(進行例・手術不能例)
- 補助療法:術前・術後化学療法、栄養管理、疼痛緩和
- 注意点:早期発見例では内視鏡的切除も適応、再発監視・合併症管理が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 食道アカラシア | 嚥下困難だが悪性所見なし | 内視鏡で腫瘍性病変なし |
| 食道潰瘍 | 局所的な潰瘍性病変 | 生検で癌細胞を認めない |
| 胃食道逆流症 | 逆流症状主体、腫瘍形成なし | 内視鏡で腫瘍性病変なし |
補足事項
食道癌は進行が早く、予後不良なことが多い。近年は内視鏡的粘膜切除や化学放射線療法の進歩により早期発見・治療の幅が広がっている。定期的な内視鏡検診が重要である。