結節性紅斑
概要
結節性紅斑は、主に下腿伸側に好発する、圧痛を伴う紅色の硬結性皮下結節を特徴とする炎症性疾患。感染症や全身性疾患、薬剤など多様な原因が関与し、自己限定的経過をとることが多い。若年女性に多く、基礎疾患の検索が重要となる。
要点
- 下腿に好発する有痛性紅色結節が特徴
- 感染症や膠原病など多様な原因が存在
- 多くは予後良好で自然軽快する
病態・原因
結節性紅斑は皮下脂肪組織の血管周囲炎(中型血管炎)で、感染症(連鎖球菌、結核など)、サルコイドーシス、炎症性腸疾患、薬剤、妊娠などが誘因となる。免疫複合体の沈着や細胞性免疫応答が関与する。
主症状・身体所見
下腿伸側に多発する圧痛を伴う紅色結節が主徴で、しばしば左右対称にみられる。発熱や関節痛、全身倦怠感を伴うことがある。皮疹は数日で紫色から黄緑色へと変化し、潰瘍化せずに消退する。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 炎症反応(CRP↑, ESR↑) | 白血球増多や基礎疾患の検索も重要 |
| 皮膚生検 | 皮下脂肪組織の隔壁性脂肪織炎 | 血管周囲の好中球浸潤、血管炎像 |
| 胸部X線 | サルコイドーシスや結核の評価 | 両側肺門リンパ節腫脹など |
診断は特徴的な皮疹と圧痛、病理組織像で行う。基礎疾患検索として咽頭培養、抗O抗体、胸部画像などを行う。サルコイドーシスでは両側肺門リンパ節腫脹が参考となる。
治療
- 第一選択:安静とNSAIDsによる対症療法
- 補助療法:基礎疾患治療(抗菌薬、抗結核薬、免疫抑制薬など)
- 注意点:長期化や再発例では基礎疾患の再評価が必要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Sweet病 | 発熱・有痛性紅斑、好中球増多 | 皮膚生検で真皮浮腫と好中球浸潤 |
| 硬結性紅斑 | 皮下硬結が主、下腿後面に多い | 皮下脂肪組織の壊死性炎症像 |
| 多形滲出性紅斑 | 標的状紅斑、粘膜病変 | 病理で表皮壊死や真皮浮腫 |
補足事項
結節性紅斑は自己限定的で予後良好だが、再発や遷延例では基礎疾患の精査が重要。小児や妊婦にも発症しうる。サルコイドーシスや炎症性腸疾患の初発症状となることもある。