管内性乳頭腫
概要
管内性乳頭腫は乳管内に発生する良性腫瘍で、乳頭分泌や血性分泌の原因となる。中高年女性に多く、乳頭直下の主乳管に発生することが多い。悪性化のリスクは低いが、鑑別のため精査が必要である。
要点
- 乳管内に発生する良性乳腫瘍
- 乳頭分泌(特に血性)が主症状
- 悪性腫瘍との鑑別が重要
病態・原因
乳腺の主乳管内に乳頭状に増殖する良性腫瘍で、ホルモンバランスや加齢がリスク因子とされる。乳管上皮の増殖が主な病態で、乳頭直下に単発性に発生することが多い。
主症状・身体所見
代表的な症状は乳頭からの血性分泌や漿液性分泌で、しばしば片側性である。乳腺のしこりとして触知されることは少なく、乳房痛や炎症症状は一般的ではない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 乳腺エコー | 乳管内の低エコー腫瘤 | 乳管拡張像や血流増加を伴うことあり |
| 乳管造影 | 造影剤の充満欠損 | 乳管内腫瘤の位置や範囲を評価 |
| 細胞診・組織診 | 良性乳頭状構造、異型なし | 悪性所見の有無を確認 |
エコーや乳管造影で乳管内腫瘤を確認し、確定診断には細胞診または組織診が必要となる。画像上悪性所見があれば追加精査を行う。
治療
- 第一選択:外科的切除(乳管腫瘍摘出術)
- 補助療法:経過観察(症状軽度・悪性所見なしの場合)
- 注意点:悪性化や再発の有無を定期的に確認
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 乳癌 | しこり・皮膚陥凹・乳頭異常 | 組織診で悪性細胞を認める |
| 乳腺症 | 両側性・周期的疼痛 | 超音波で嚢胞性変化主体 |
| 乳腺炎 | 発赤・腫脹・圧痛・発熱 | 炎症所見・膿瘍形成 |
補足事項
多発性や末梢乳管発生の場合は乳管内癌との鑑別が特に重要となる。高齢者や乳頭分泌が持続する場合は早期の精査を推奨する。