葉状腫瘍

概要

葉状腫瘍は乳腺に発生する比較的まれな腫瘍で、線維腺腫に類似するがより増殖性が高い。良性から悪性まで幅広い病理像を示し、局所再発しやすい特徴を持つ。中年女性に多く発症し、急速な腫瘍増大が特徴的である。

要点

  • 乳腺の線維上皮性腫瘍で良性から悪性まで存在
  • 急速な腫瘍増大と局所再発が特徴
  • 外科的切除が主な治療法

病態・原因

葉状腫瘍は乳腺の間質細胞と上皮細胞の両方から構成される線維上皮性腫瘍であり、遺伝的要因やホルモン環境が発症に関与すると考えられる。線維腺腫とは異なり、間質成分の増殖が顕著で、悪性転化することもある。

主症状・身体所見

乳房に急速に増大する無痛性の腫瘤として自覚されることが多い。腫瘤は弾性硬で境界明瞭、時に皮膚の緊張や潰瘍形成を伴う。腋窩リンパ節腫大はまれ。

検査・診断

検査所見補足
乳腺超音波境界明瞭な低エコー腫瘤内部に分葉状構造を認めることが多い
乳腺MRI増大傾向の腫瘤、分葉状増強効果や内部構造の評価に有用
生検(針生検/切除生検)線維上皮性増殖、分葉状構造良悪性の鑑別に必須

診断は画像所見と組織学的所見の組み合わせで行う。病理組織では間質成分の増殖、分葉状構造、細胞異型度や分裂像の有無が良悪性判定に重要となる。

治療

  • 第一選択:外科的切除(広範切除が推奨される)
  • 補助療法:悪性例では追加切除やまれに放射線療法
  • 注意点:再発率が高いため十分な切除断端の確保が必要

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
線維腺腫若年女性に多く、緩徐な増大組織で分葉状構造や間質増殖が乏しい
乳癌進行例で皮膚浸潤やリンパ節転移画像で不整形、組織で浸潤性癌細胞

補足事項

葉状腫瘍は切除断端陽性例で再発リスクが高く、悪性例は遠隔転移の可能性もある。腫瘍径や細胞異型度、分裂像数により良性・境界悪性・悪性に分類される。定期的な術後フォローが重要である。

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