サイトメガロウイルス肺炎

概要

サイトメガロウイルス(CMV)による肺感染症であり、主に免疫抑制状態の患者に発症する。重症化しやすく、特に移植後や悪性腫瘍治療中の患者で問題となる。診断と治療の遅れが致命的となることがある。

要点

  • 免疫抑制患者で発症しやすい重篤なウイルス性肺炎
  • 画像所見やウイルス検出による迅速な診断が重要
  • 抗ウイルス薬による早期治療が予後を左右する

病態・原因

サイトメガロウイルスはヘルペスウイルス科に属し、健常者では不顕性感染が多いが、免疫抑制下で再活性化し肺炎を引き起こす。臓器移植後、造血幹細胞移植後、AIDS患者などが主なリスク群となる。

主症状・身体所見

発熱、咳嗽、呼吸困難が主症状であり、進行すると低酸素血症や呼吸不全を呈する。身体所見ではラ音や呼吸音減弱などがみられることがあるが、特異的な所見は乏しい。

検査・診断

検査所見補足
胸部CTびまん性すりガラス影、浸潤影両側性、末梢優位の分布が多い
CMV抗原血症検査pp65抗原陽性血中ウイルス量の上昇を反映
ウイルスDNA定量PCRでウイルスDNA検出定量的な診断、治療効果判定にも有用

CMV抗原血症検査やPCRによるウイルスDNA検出が診断の中心となる。胸部CTでは特徴的なすりガラス影や浸潤影を認めるが、他のウイルス性肺炎との鑑別が必要。BALFからのウイルス検出も有用。

治療

  • 第一選択:ガンシクロビル静注またはバルガンシクロビル経口投与
  • 補助療法:酸素投与、免疫抑制薬の調整、支持療法
  • 注意点:骨髄抑制や腎障害など抗ウイルス薬の副作用管理、早期治療開始

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
ニューモシスチス肺炎乾性咳嗽、LDH高値β-Dグルカン陽性、銀染色で胞子検出
細菌性肺炎急性発症、高熱、膿性痰グラム染色・培養で細菌検出
インフルエンザ肺炎流行期、鼻汁・咽頭痛を伴うこと多いインフルエンザウイルス迅速検査

補足事項

移植後や造血幹細胞移植患者では定期的なウイルスモニタリングが推奨される。抗ウイルス薬の耐性化にも注意が必要であり、治療反応が乏しい場合は薬剤変更や免疫調整を検討する。

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