びまん性汎細気管支炎
概要
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、主に東アジア人に多い慢性炎症性呼吸器疾患で、細気管支を中心としたびまん性の炎症と気道閉塞を特徴とする。慢性の咳嗽や膿性痰、呼吸困難を主症状とし、進行すると呼吸不全に至ることがある。
要点
- 慢性的な咳嗽・膿性痰・労作時呼吸困難が三徴
- マクロライド長期投与が治療の中心
- 気道感染の反復や副鼻腔炎の合併が多い
病態・原因
びまん性汎細気管支炎は、細気管支を中心とした慢性の化膿性炎症が全肺に広がる疾患で、好中球主体の慢性炎症が特徴。遺伝的素因やHLA-B54との関連が指摘されているが、明確な原因は不明である。副鼻腔炎との合併が多く、上気道からの感染が関与する可能性がある。
主症状・身体所見
慢性的な咳嗽、膿性痰、労作時呼吸困難が代表的症状である。身体所見としては両側性のラ音(捻髪音や湿性ラ音)が聴取されやすい。副鼻腔炎を合併することが多く、鼻閉や鼻汁も認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 胸部CT | 両側下肺野優位の小葉中心性粒状影、気管支拡張 | モザイクパターンや気管支壁肥厚も特徴的 |
| 呼吸機能検査 | 閉塞性換気障害(FEV1低下) | 進行例でガス交換障害 |
| 喀痰培養 | インフルエンザ菌や緑膿菌 | 感染の評価、治療指針 |
診断は臨床症状、胸部CT画像、呼吸機能検査、慢性副鼻腔炎の合併などを総合的に評価して行う。日本呼吸器学会の診断基準が用いられる。画像では小葉中心性粒状影や気管支拡張が特徴。
治療
- 第一選択:マクロライド系抗菌薬の長期少量投与(エリスロマイシンなど)
- 補助療法:去痰薬、気管支拡張薬、呼吸リハビリ、感染対策
- 注意点:耐性菌発生予防、長期管理と副作用モニタリング
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 慢性閉塞性肺疾患 | 喫煙歴、喘鳴・呼吸困難中心 | CTで小葉中心性陰影は乏しい |
| 気管支拡張症 | 局所性、喀血が目立つ | 局所的な気管支拡張が主体 |
| サイトメガロウイルス肺炎 | 免疫不全患者、発熱・全身症状 | ウイルスDNA検出、特徴的な細胞所見 |
補足事項
日本人に多く、HLA-B54陽性との関連が報告されている。マクロライド療法導入以降、予後は大きく改善した。副鼻腔炎治療も重要である。