虚血性視神経症

概要

虚血性視神経症は視神経への血流障害によって急激な視力低下や視野障害を生じる疾患である。主に中高年に多く発症し、動脈硬化や血管炎などが背景に存在することが多い。非動脈炎性と動脈炎性の2型に大別される。

要点

  • 視神経の血流障害による急性視力障害
  • 高齢者や血管リスク因子を持つ患者に多い
  • 早期診断と治療介入が視機能予後に重要

病態・原因

視神経乳頭や視神経後部への血流が障害されることで発症する。非動脈炎性は高血圧や糖尿病、動脈硬化などがリスクとなり、動脈炎性は巨細胞性動脈炎が主な原因である。血管閉塞や炎症による虚血が病態の中心となる。

主症状・身体所見

突然の片眼性視力低下や視野欠損が典型的で、痛みは伴わないことが多い。眼底検査では視神経乳頭の腫脹や出血が認められる。動脈炎性では全身症状(発熱、頭痛、顎跛行)を伴うことがある。

検査・診断

検査所見補足
眼底検査視神経乳頭腫脹・出血乳頭蒼白や浮腫、網膜出血を確認
視野検査視野欠損(下方優位が多い)急性期は中心暗点や弓状暗点が特徴
血液検査炎症反応上昇(動脈炎性)ESR、CRP高値は巨細胞性動脈炎を示唆
頭部MRI視神経の腫脹や信号変化鑑別診断や他疾患除外のために有用

視神経乳頭の腫脹・出血が眼底検査で確認されることが診断の鍵となる。動脈炎性では炎症所見(ESR・CRP高値)や側頭動脈の超音波検査も参考となる。MRIでは視神経炎など他疾患との鑑別が可能。

治療

  • 第一選択:ステロイド全身投与(特に動脈炎性)、基礎疾患管理
  • 補助療法:抗血小板薬や血管拡張薬の投与、リハビリテーション
  • 注意点:早期治療が予後改善に重要、動脈炎性では反対眼発症予防

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
視神経炎若年発症・疼痛を伴う・多発性硬化症関連MRIで視神経の造影増強
網膜中心動脈閉塞症突然の無痛性失明・網膜蒼白とcherry red spot眼底で網膜動脈の灌流停止
緑内障発作激しい眼痛・充血・高眼圧眼圧上昇・前房隅角の閉塞

補足事項

動脈炎性虚血性視神経症は視力予後が極めて不良であり、早期のステロイド治療で反対眼発症を防ぐことが重要である。非動脈炎性では再発や反対眼発症のリスクも考慮し、全身管理が必要となる。

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