視神経炎

概要

視神経炎は視神経の炎症性疾患で、急性または亜急性の視力低下や視野障害を主症状とする。多発性硬化症や視神経脊髄炎などの脱髄疾患に関連することが多く、若年成人女性に好発する。原因は自己免疫性が主体で、再発や他の中枢神経疾患への進展リスクがある。

要点

  • 急性発症の視力低下と視野障害が特徴
  • 多発性硬化症や視神経脊髄炎との関連が重要
  • ステロイド治療が第一選択となる

病態・原因

自己免疫機序による視神経の脱髄が主な病態であり、多発性硬化症や視神経脊髄炎の一症状として発症することが多い。ウイルス感染後やワクチン接種後にも発症例がみられる。遺伝素因や環境因子も関与する。

主症状・身体所見

急性または亜急性の視力低下、中心暗点などの視野障害、眼球運動時痛が主な症状。眼底所見では視神経乳頭の発赤や腫脹がみられることがあるが、正常な場合も多い(後部視神経炎)。

検査・診断

検査所見補足
視力・視野検査視力低下、中心暗点視野障害のパターン把握に有用
MRI視神経の腫脹・造影効果脱髄性病変や他の中枢病変検索
VEP(視覚誘発電位)潜時延長、振幅低下脱髄の機能的評価

MRIで視神経の腫脹や造影効果が確認できる。多発性硬化症や視神経脊髄炎の診断基準に基づき、血清抗AQP4抗体や抗MOG抗体も補助的に測定する。

治療

  • 第一選択:ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン静注)
  • 補助療法:経口ステロイド漸減、免疫抑制薬(再発例や難治例)
  • 注意点:再発リスク評価、他疾患合併の精査

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
虚血性視神経症高齢者、動脈硬化リスク、突然の発症MRIで虚血性変化、炎症所見なし
網膜中心動脈閉塞症急激な視力消失、網膜蒼白眼底検査で網膜蒼白・cherry-red spot

補足事項

視神経炎は再発や多発性硬化症・視神経脊髄炎への進展リスクがあり、長期的な経過観察が重要となる。抗AQP4抗体陽性例では再発予防の免疫療法も検討される。

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