膀胱瘻
概要
膀胱瘻は、膀胱と体表や他臓器(腸管・腟など)との間に異常な交通路(瘻孔)が形成された状態である。主に外傷、手術、感染、腫瘍などが原因となる。尿漏出や感染のリスクが高く、生活の質に大きな影響を及ぼす。
要点
- 膀胱と他部位を連絡する異常な瘻孔である
- 原因は外傷・手術・腫瘍・感染など多岐にわたる
- 尿漏や難治性尿路感染症を合併しやすい
病態・原因
膀胱瘻は、膀胱壁の損傷や壊死、炎症によって生じる。原因としては骨盤部の手術や外傷、膀胱腫瘍の浸潤、放射線治療後の組織障害、慢性炎症や感染などが挙げられる。腸管や腟、皮膚への瘻孔形成がみられる。
主症状・身体所見
持続的な尿漏出や排尿困難、局所の発赤・腫脹、瘻孔部からの分泌物がみられる。二次感染による発熱や局所疼痛、慢性尿路感染症の反復も特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 造影検査(膀胱造影、瘻孔造影) | 瘻孔の存在・経路を描出 | 最も有用な画像診断 |
| 超音波・CT・MRI | 異常な膀胱壁の連続性・周囲膿瘍 | 瘻孔の範囲や合併症の評価 |
| 尿検査 | 尿中白血球・細菌増加 | 二次感染の評価 |
造影検査により瘻孔の位置や経路が明らかとなる。CTやMRIは周囲組織の炎症や膿瘍の有無、腫瘍性病変の評価に有用である。診断は画像所見と臨床症状を総合して行う。
治療
- 第一選択:原因疾患の治療および外科的瘻孔閉鎖術
- 補助療法:抗菌薬投与、尿路管理(カテーテル留置など)、創部ケア
- 注意点:再発予防のため原因除去が重要、感染コントロールの徹底
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 腸瘻 | 尿漏ではなく腸内容物漏出 | 造影検査で瘻孔の経路が異なる |
| 膀胱腟瘻 | 腟からの持続的尿漏 | 膀胱造影で腟への交通を確認 |
| 膀胱憩室 | 膀胱壁の限局性突出 | 造影で袋状構造を認める |
補足事項
瘻孔の閉鎖には全身状態や基礎疾患のコントロールが不可欠であり、難治例では長期管理を要することがある。放射線治療後や糖尿病患者では治癒遅延に注意する。