腸瘻
概要
腸瘻は腸管と体表、または他の臓器との間に人工的あるいは病的に形成される瘻孔であり、経腸栄養や消化管減圧、排泄路確保などを目的に造設される。消化管機能が保たれているが経口摂取が困難な場合に適応となる。瘻孔管理や合併症対策が重要となる。
要点
- 腸瘻は主に経腸栄養や減圧目的で造設される
- 感染や閉塞、皮膚トラブルなどの合併症に注意が必要
- 適切な管理と患者教育が長期管理の鍵となる
病態・原因
腸瘻は経口摂取困難例や上部消化管通過障害、嚥下障害、長期の経腸栄養管理が必要な患者で適応となる。外科的または内視鏡的に瘻孔が造設されるが、消化管穿孔や腫瘍、炎症などで自然発生することもある。
主症状・身体所見
瘻孔部からの排液、発赤、腫脹、疼痛、皮膚炎などがみられることがある。瘻孔部感染や瘻孔閉塞、内容物漏出による皮膚障害、電解質異常などが主な問題となる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 造影検査 | 瘻孔の位置・通過性・漏出の有無を評価 | 造影剤注入で確認 |
| 血液検査 | 炎症反応、電解質異常、栄養状態の評価 | 合併症や管理指標 |
| 瘻孔部観察 | 発赤・腫脹・排液・皮膚障害の有無 | 感染やトラブル確認 |
造影検査で瘻孔の通過性や漏出、異常な連絡を確認する。血液検査で感染や栄養状態をモニタリングし、瘻孔部の視診も重要である。診断は臨床経過と画像・視診所見を総合して行う。
治療
- 第一選択:経腸栄養管理、瘻孔部の清潔保持
- 補助療法:創傷ケア、皮膚保護、感染対策、電解質管理
- 注意点:閉塞や感染、漏出などの合併症予防と早期対応
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 絞扼性イレウス | 急性腹痛と腹膜刺激症状 | 画像で腸管拡張・血流障害 |
| 痔瘻 | 肛門周囲の瘻孔・排膿 | 直腸指診・MRIで瘻孔経路確認 |
| 腸管壊死 | 急激な腹痛、ショック症状 | CTで腸壁の造影不良、ガス像 |
補足事項
瘻孔管理には専用のドレッシング材や管理手順があり、患者・家族への指導が重要。長期管理例では定期的な瘻孔交換や栄養評価、皮膚トラブル対策が必要となる。