膀胱憩室
概要
膀胱憩室は膀胱壁の一部が外側に袋状に突出した構造で、先天性と後天性がある。多くは排尿障害や尿路感染症の原因となることがある。無症状で偶発的に発見される場合も多い。
要点
- 膀胱壁の外側突出による袋状構造
- 排尿障害や尿路感染症のリスクとなる
- 画像診断で発見されることが多い
病態・原因
膀胱憩室は膀胱壁の筋層が欠損または脆弱となり、粘膜が外側に突出することで形成される。先天性は筋層の発達異常、後天性は前立腺肥大症や尿道狭窄などによる慢性的な膀胱内圧上昇が主な原因となる。
主症状・身体所見
多くは無症状だが、尿路感染症や排尿困難、残尿感、血尿などがみられることがある。憩室内に尿が貯留しやすく、感染や結石形成のリスクが高まる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 膀胱壁外側の袋状構造 | 非侵襲的スクリーニングに有用 |
| 排泄性尿路造影 | 憩室への造影剤の貯留 | 憩室の大きさ・位置評価に有用 |
| CT/MRI | 憩室の詳細な形態評価 | 合併症や周囲臓器の評価にも有用 |
画像検査により膀胱壁から突出する袋状陰影を確認し、診断する。尿路造影やCTで憩室の大きさや数、合併症の有無を評価する。
治療
- 第一選択:無症状例は経過観察、有症状例や合併症例では手術(憩室切除術)
- 補助療法:尿路感染対策(抗菌薬)、排尿障害の治療
- 注意点:再発予防には原因疾患(前立腺肥大など)の治療も重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 膀胱腫瘍 | 固形腫瘤で壁内発育 | 腫瘍は造影で充実性病変 |
| 膀胱瘻 | 膀胱外への異常交通路形成 | 造影剤の異常漏出を認める |
| 尿管瘤 | 膀胱内腔への尿管開口部の嚢状突出 | 尿管開口部と連続性あり |
補足事項
膀胱憩室は高齢男性で後天性が多く、前立腺肥大症との関連が強い。巨大憩室や反復感染例では、悪性腫瘍の発生もまれに報告されている。