腱板障害
概要
腱板障害は肩関節を構成する腱板(ローテーターカフ)の損傷や変性による機能障害の総称である。主に中高年に多く、肩の痛みや運動制限を呈する。スポーツや加齢、外傷が発症の背景となることが多い。
要点
- 肩関節の運動障害と疼痛が主症状
- 加齢や使いすぎ、外傷がリスク因子
- 画像診断と理学所見で診断される
病態・原因
腱板障害は腱板の加齢性変性、過度な使用、外傷(転倒や打撲など)によって発症する。血流低下や繰り返す微小損傷が慢性的な腱板損傷を引き起こしやすい。スポーツ選手や重労働者、また高齢者に多い。
主症状・身体所見
肩の運動時痛、夜間痛、可動域制限が特徴である。特に肩を挙上した際の疼痛(ペインフルアークサイン)や筋力低下がみられる。重症例では自力で肩を上げられないこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| X線検査 | 骨の変形や石灰化、上腕骨頭の位置異常 | 骨性異常や二次的変化の確認 |
| 超音波・MRI | 腱板断裂、肥厚、変性、滑液包の腫脹 | 軟部組織損傷の評価 |
| 理学的テスト | ペインフルアーク、ドロップアームなど陽性 | 機能的障害の確認 |
MRIは腱板断裂や変性、部分断裂の診断に最も有用である。理学的所見と画像所見を総合して診断する。
治療
- 第一選択:保存療法(安静、消炎鎮痛薬、リハビリテーション)
- 補助療法:ステロイド注射、物理療法
- 注意点:断裂例や保存療法無効例では手術適応となる
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 肩関節周囲炎 | 痛みよりも可動域制限が強い | 画像で腱板損傷なし |
| 反復性肩関節脱臼 | 若年者や外傷歴、脱臼エピソード | X線で脱臼所見 |
| 石灰沈着性腱板炎 | 急性の激痛、石灰沈着が明瞭 | X線で石灰沈着像 |
補足事項
腱板障害は早期のリハビリ介入が予後改善に重要である。高齢者では腱板断裂の無症候例も多いため、症状と画像所見を総合的に判断する必要がある。