稽留流産
概要
稽留流産は、胎児や胎芽が子宮内で死亡したにもかかわらず、自然排出が起こらずに子宮内に留まった状態を指す。自覚症状に乏しく、診断は主に超音波検査によって行われる。治療には待機療法か子宮内容除去術が選択される。
要点
- 胎児死亡後も子宮内に留まることが特徴
- 多くは無症状で発見が遅れる
- 治療は子宮内容除去術が主流
病態・原因
主な原因は胎児染色体異常や母体側の疾患、子宮奇形などが挙げられる。胎児や胎芽の死亡後も子宮収縮や頸管開大が起こらず、内容物が排出されないことで稽留流産となる。
主症状・身体所見
多くの場合自覚症状に乏しいが、妊娠症状の消失や軽度の不正性器出血がみられることがある。腹痛や大量出血は通常みられない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 胎児心拍の消失、胎児発育停止 | 診断の中心 |
| 血中hCG測定 | 妊娠週数に比し低値・停滞 | 経過観察に有用 |
超音波検査で胎児心拍の消失や胎児発育停止を確認し診断する。診断基準は、心拍の確認できた後に消失した場合や、一定期間発育停止が持続する場合など。画像所見では胎嚢や胎芽の形態異常も参考となる。
治療
- 第一選択:子宮内容除去術(掻爬術または吸引法)
- 補助療法:経過観察(自然排出待機)、感染予防
- 注意点:大量出血や感染兆候時は緊急対応
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 進行流産 | 出血・腹痛が明瞭 | 子宮口開大・内容物排出 |
| 切迫流産 | 胎児心拍あり | 妊娠継続可能・超音波で心拍確認 |
補足事項
流産の多くは偶発的な染色体異常に起因するため、反復例でなければ特別な精密検査は不要。治療後は感染徴候や出血の有無に注意する。