異所性妊娠

概要

異所性妊娠は、受精卵が子宮腔外に着床する妊娠の異常であり、最も多い着床部位は卵管である。早期診断と治療が遅れると、卵管破裂や大量出血をきたし、母体の生命に関わることがある。妊娠初期の異常出血や下腹部痛が主な症状である。

要点

  • 子宮外(主に卵管)への受精卵着床が特徴
  • 破裂時は急性腹症・ショックを呈する
  • 早期診断・治療が母体救命に不可欠

病態・原因

卵管通過障害や炎症、手術歴、子宮内避妊具使用などがリスク因子となる。受精卵が正常な子宮内膜に到達できず、卵管や卵巣、腹腔などに着床することで発症する。

主症状・身体所見

妊娠反応陽性にもかかわらず、無月経、性器出血、下腹部痛が出現する。進行すると卵管破裂による腹膜刺激症状やショック状態に至ることがある。

検査・診断

検査所見補足
経腟超音波検査子宮内妊娠の証拠がない、付属器腫瘤最も有用な画像検査
血中hCG測定妊娠反応陽性、hCGの上昇不良シリアル測定が有用
腹腔穿刺血性腹水の確認破裂疑い時に施行

hCG値が妊娠週数に比して低値または上昇が不良な場合、経腟超音波で子宮内妊娠が確認できない場合に疑う。破裂例では腹腔内出血を認める。

治療

  • 第一選択:破裂例は緊急手術(腹腔鏡下または開腹手術)、非破裂例はメトトレキサート投与
  • 補助療法:輸液・輸血、疼痛管理、経過観察
  • 注意点:再発リスクあり、将来の妊孕性への配慮

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性虫垂炎発熱・右下腹部限局痛、妊娠反応陰性超音波で虫垂腫大・hCG陰性
卵巣茎捻転急激な下腹部痛、妊娠反応陰性超音波で卵巣腫大
切迫流産子宮内妊娠の確認、性器出血超音波で胎嚢確認

補足事項

早期診断には経腟超音波とhCGの組み合わせが重要。メトトレキサート療法は非破裂かつ全身状態安定例に限られる。妊娠週数や症状、将来の妊娠希望も治療選択に影響する。

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