気腫性胆囊炎

概要

気腫性胆囊炎は、胆囊壁やその周囲にガス産生菌によるガスが貯留する重篤な感染性胆囊炎である。主に糖尿病患者や高齢者に多く、進行が速く致死率が高い。通常の急性胆囊炎と比べて重篤化しやすい。

要点

  • ガス産生菌感染による胆囊壁・周囲へのガス貯留
  • 糖尿病や基礎疾患を有する高齢者で多い
  • 急速進行・高い致死率のため早期診断と治療が必須

病態・原因

主にClostridium属や大腸菌などのガス産生菌が胆囊壁に感染し、組織壊死やガス産生を引き起こす。糖尿病や免疫低下、胆石症などがリスク因子となる。血流障害や胆汁うっ滞も発症に関与する。

主症状・身体所見

右季肋部痛、発熱、悪寒、圧痛、反跳痛など急性胆囊炎と類似するが、高齢者や糖尿病患者では症状が不明瞭なことも多い。ショックや意識障害を呈することもある。

検査・診断

検査所見補足
腹部単純X線胆囊壁内または周囲のガス像ガス像の認識が診断の鍵
腹部CT胆囊壁内ガス、ガス液面、周囲炎症感度・特異度ともに高い

腹部超音波検査でもガスによるエコー輝度上昇や音響陰影が認められることがある。診断は画像上のガス像と臨床症状の組み合わせで行う。

治療

  • 第一選択:緊急胆囊摘出術(外科的治療)
  • 補助療法:広域抗菌薬投与、ドレナージ、全身管理
  • 注意点:早期治療開始とショック対策、基礎疾患の管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
急性胆囊炎ガス像なし、経過が緩徐画像でガス像を認めない
胆囊癌腫瘤形成や壁肥厚、進行は緩徐CTで腫瘤性病変・ガス像なし

補足事項

気腫性胆囊炎は進行が非常に速く、診断・治療の遅れが致死的となる。糖尿病患者や高齢者に見られる右上腹部症状では本疾患を常に念頭に置く必要がある。

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