新生児肝炎

概要

新生児肝炎は生後数週から数か月の新生児に発症する肝機能障害で、黄疸や肝腫大を主徴とする。ウイルス感染や先天代謝異常、原因不明例も多い。診断・治療は胆道閉鎖症など他疾患との鑑別が重要となる。

要点

  • 新生児期に発症する肝障害で黄疸が長引く
  • 原因は多岐にわたり、特発性も多い
  • 胆道閉鎖症との鑑別が最重要

病態・原因

新生児肝炎はウイルス感染(サイトメガロウイルス、風疹ウイルスなど)、先天代謝異常、薬剤、母体疾患など多様な要因で発症するが、原因が特定できない特発性も多い。肝細胞障害により胆汁うっ滞や肝機能障害が生じる。

主症状・身体所見

主な症状は遷延性黄疸、肝腫大、しばしば脾腫を伴う。便色脱失や尿色の濃染、体重増加不良、哺乳不良などもみられる。重症例では出血傾向や腹水を呈することもある。

検査・診断

検査所見補足
血液生化学直接型高ビリルビン血症、肝酵素上昇γ-GTP、AST/ALT、ALP上昇
腹部超音波肝腫大、胆道形態異常の有無胆道閉鎖との鑑別に有用
肝生検肝細胞壊死、炎症細胞浸潤病態・鑑別診断の確定に重要

血液検査で直接型高ビリルビン血症を認め、腹部超音波で胆道閉鎖症の所見がなければ新生児肝炎を疑う。肝生検は確定診断や鑑別に有用。ウイルス抗体検査や代謝異常スクリーニングも行う。

治療

  • 第一選択:対症療法(栄養管理、ビタミンK投与など)
  • 補助療法:胆汁うっ滞改善薬(ウルソデオキシコール酸など)、感染症治療
  • 注意点:胆道閉鎖症との鑑別、肝不全進行例では肝移植も考慮

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
胆道閉鎖症便色脱失がより明瞭、進行性超音波で胆道消失、肝生検で胆管消失
ガラクトース血症新生児期の肝障害+白内障・敗血症ガラクトース血症の代謝異常検査陽性
α1-アンチトリプシン欠損症家族歴、肺症状合併α1-AT低値、肝生検でPAS陽性封入体

補足事項

新生児肝炎は胆道閉鎖症など外科的治療が必要な疾患と早期に鑑別することが重要であり、便色カードなど家庭での観察も診断に役立つ。近年、分子遺伝学的解析による原因解明が進んでいる。

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