尖圭コンジローマ
概要
尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス(HPV)感染による良性の乳頭状増殖性病変であり、主に性行為を介して感染する。外陰部、肛門周囲、会陰部などの皮膚・粘膜に発生し、特徴的なイボ状病変を形成する。
要点
- HPV6型・11型が主な原因で、性感染症の一種である
- 外陰部・肛門周囲などにカリフラワー状の有痛性または無痛性結節を形成
- 患者・パートナー双方の治療と再発予防が重要
病態・原因
ヒトパピローマウイルス(HPV)6型や11型などの低リスク型HPVが皮膚や粘膜に感染し、上皮細胞の増殖を促すことで乳頭状の腫瘤を形成する。主な感染経路は性行為であり、免疫低下や多くの性的パートナーがリスク因子となる。
主症状・身体所見
外陰部、肛門周囲、会陰部、尿道口などにカリフラワー状や鶏冠状のイボが多発する。多くは無痛性だが、時に掻痒感や疼痛、出血を伴うことがある。病変の拡大や再発も特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診・触診 | 乳頭状・カリフラワー状増殖 | 典型的な形態で診断可能 |
| HPV DNA検査 | HPV6/11型の検出 | 鑑別や悪性型除外に有用 |
| 酢酸試験 | 白色変化 | 潜在病変の視認補助 |
視診と問診でほとんど診断可能だが、鑑別困難例や悪性腫瘍の除外のために組織診断やHPV型判定を行うことがある。酢酸試験は潜在的な病変の可視化に用いられる。
治療
- 第一選択:液体窒素凍結療法、外科的切除、電気焼灼、イミキモド外用
- 補助療法:パートナーの検査・治療、感染予防指導
- 注意点:再発率が高いため定期的な経過観察が必要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 尋常性疣贅 | 手足に多く発生し、表面が粗い | HPV型が異なる |
| 有棘細胞癌 | 潰瘍形成・浸潤傾向、出血しやすい | 組織診断で異型細胞検出 |
| 性器ヘルペス | 水疱・潰瘍形成、疼痛が強い | HSV検査陽性 |
補足事項
HPVワクチン接種により発症予防が期待できる。妊婦や免疫抑制患者では難治・再発例が多い。悪性化(特にハイリスク型HPV感染時)にも注意が必要である。