循環血液量減少性ショック
概要
循環血液量減少性ショックは、出血や体液喪失などによって循環血液量が著しく減少し、組織灌流が障害されるショック状態である。主に外傷や消化管出血、脱水などが原因となる。早期診断と迅速な治療が予後を左右する。
要点
- 循環血液量の急激な減少がショックの主因
- 原因検索と早期の輸液・止血が治療の中心
- 臓器虚血による多臓器不全に注意
病態・原因
大量出血(外傷、消化管出血など)や重度の脱水、熱傷、第三腔への体液移動などによって循環血液量が減少し、心拍出量の低下と組織灌流不足が生じる。失われた血液・体液の量が多いほど重症となる。
主症状・身体所見
頻脈、血圧低下、四肢冷感、蒼白、発汗、意識障害などがみられる。重症例では尿量減少や呼吸促迫、多臓器不全の徴候も認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | ヘモグロビン・ヘマトクリット低下、乳酸上昇 | 出血性なら貧血進行、代謝性アシドーシス |
| 動脈血ガス分析 | 代謝性アシドーシス | 組織低灌流の指標 |
| 超音波検査(FAST) | 腹腔内出血の有無 | 外傷・消化管出血の評価 |
| 尿量測定 | 尿量減少 | 腎血流低下の指標 |
診断は臨床症状とショックバイタル、原因検索(出血部位や脱水の評価)を組み合わせて行う。画像検査(CT、超音波)で出血源や体液喪失部位を特定する。
治療
- 第一選択:迅速な輸液・止血処置
- 補助療法:酸素投与、輸血、必要に応じて昇圧薬
- 注意点:原因除去後も再発や多臓器不全に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 心原性ショック | 心疾患既往・肺水腫 | 心エコーで心機能低下 |
| 敗血症性ショック | 感染徴候・発熱 | 白血球増加・CRP上昇 |
| 神経原性ショック | 外傷歴・徐脈 | 頸髄損傷・徐脈が特徴 |
補足事項
高齢者や基礎疾患を有する場合、症状が非典型的となることがある。ショックの評価にはショック指数や乳酸値が有用。原因検索と並行して治療介入を進めることが重要である。