血管収縮薬
概要
血管収縮薬は血管平滑筋を収縮させ、血管径を狭めることで血圧を上昇させる薬剤群である。主にショックや急性低血圧時など、循環動態の維持が必要な場面で用いられる。作用機序や適応疾患は薬剤ごとに異なるが、迅速な循環補助が求められる場面で重要な役割を果たす。
要点
- 交感神経刺激や受容体作動薬など多様な作用機序を持つ
- 急性循環不全やショック時の血圧維持に使用される
- 過剰投与や適応外使用で重篤な副作用リスクがある
薬理作用・機序
血管収縮薬は主にα1アドレナリン受容体刺激やバソプレシン受容体刺激を介し、血管平滑筋を収縮させて血圧を上昇させる。ノルアドレナリンやバソプレシン、フェニレフリンなどが代表的で、薬剤により作用部位や選択性が異なる。
禁忌・副作用
禁忌としては重篤な高血圧症や末梢循環障害が挙げられる。副作用には過度の血圧上昇、不整脈、末梢循環障害、組織壊死、頭痛、不安感などがあり、投与量や投与速度に注意が必要である。
適応疾患
| 疾患 | 薬理作用 | 補足 |
|---|---|---|
| 循環血液量減少性ショック | 血管収縮による血圧上昇 | 急性出血や脱水時に使用 |
| 敗血症性ショック | 血管トーン維持・補助 | 主要な循環補助薬として選択 |
| 心原性ショック | 血管収縮・血圧維持 | 心機能低下時の補助療法 |
循環血液量減少性ショックや敗血症性ショック、心原性ショックなど、急性の血圧低下や循環不全の際に血管収縮薬が用いられる。原因に応じて適切な薬剤選択と用量調整が重要となる。
薬品例
| 薬品名 | 主に使われるケース |
|---|---|
| ノルアドレナリン | 敗血症性ショック、急性低血圧 |
| バソプレシン | 敗血症性ショック |
| フェニレフリン | 麻酔時の低血圧、ショック |
補足事項
血管収縮薬は、循環動態の緊急補助に不可欠だが、根本治療ではなく一時的な支持療法である。モニタリング下で慎重な投与が求められる。