太田母斑

概要

太田母斑は、顔面に生じる青色~灰青色の色素斑で、主に三叉神経第1・第2枝領域に分布する先天性の皮膚疾患である。日本人を含む東アジア人に多く、思春期以降に色調が増強することがある。

要点

  • 三叉神経領域に一致した灰青色の色素斑を呈する
  • 先天性であるが、思春期以降に色が濃くなることが多い
  • 眼や口腔粘膜にも色素沈着を伴う場合がある

病態・原因

胎生期に表皮基底層より深部の真皮にメラノサイトが残存することにより発症する。遺伝的素因や人種的背景が関与し、特にアジア系に多い。性差では女性に多くみられる。

主症状・身体所見

顔面の三叉神経第1・第2枝(眼・頬部)領域に灰青色~青色の色素沈着がみられる。片側性が多いが両側性も存在し、眼球結膜や口腔粘膜にも色素沈着を認めることがある。皮疹に自覚症状はない。

検査・診断

検査所見補足
皮膚所見(視診)灰青色~青色の色素斑三叉神経領域に一致
ダーモスコピー均一な青色調他の母斑との鑑別に有用
眼科検査結膜・強膜の色素沈着眼合併症の評価

皮膚所見が診断の中心となり、他の青色母斑や蒙古斑、悪性黒色腫との鑑別を行う。必要に応じて皮膚生検を行うこともあるが、典型例では不要。眼合併症や口腔粘膜病変の有無も確認する。

治療

  • 第一選択:Qスイッチルビーレーザーなどのレーザー治療
  • 補助療法:遮光、カバーメイクなど
  • 注意点:再発や色素残存に注意、悪性化は極めて稀

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
蒙古斑仙骨部・臀部に好発、自然消退傾向体幹・臀部中心、消退性
青色母斑小型、孤立性、隆起傾向結節状、単発、隆起性
悪性黒色腫急速な増大・不整形・色調不均一ダーモスコピーで異型細胞

補足事項

太田母斑は自然消退せず、心理的影響が大きい場合は早期治療が推奨される。レーザー治療は複数回必要なことが多く、治療効果や副作用の説明が重要である。

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