蒙古斑

概要

蒙古斑は主に新生児や乳幼児の臀部や背部に生じる青色斑で、東アジア系を中心に高頻度で認められる先天性皮膚色素異常である。通常は加齢とともに自然に消退する良性の現象であり、治療を要することはほとんどない。

要点

  • 新生児期から認められる青色斑で主に臀部・背部に分布
  • 東アジア系に多く、通常は学童期までに自然消退
  • 良性で治療不要だが、他の青色母斑や虐待との鑑別が重要

病態・原因

メラノサイトが胎生期に真皮内に残存することで、皮膚表面から青色調に見える現象である。遺伝的素因が関与し、アジア系やアフリカ系に高頻度で発生する。

主症状・身体所見

臀部や背部、肩甲部などに境界不明瞭な青色斑として出現する。圧痛や炎症所見はなく、皮膚表面は平滑で触知異常もない。出生直後から認められ、成長とともに消退する。

検査・診断

検査所見補足
視診青色~灰青色の平坦な皮膚斑臀部・背部に多い
ダーモスコピー均一な青色調、異常血管なし他の母斑や皮膚腫瘍と鑑別

視診で典型的な部位・色調・分布を確認し、鑑別が必要な場合はダーモスコピーや経過観察を行う。組織診は通常不要である。

治療

  • 第一選択:経過観察(自然消退を待つ)
  • 補助療法:特になし
  • 注意点:消退しない場合や異常な分布では他疾患を考慮

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
太田母斑顔面・眼周囲、持続性分布・消退傾向が異なる
青色母斑小型・限局性・隆起することあり触診・ダーモスコピーで鑑別

補足事項

学童期以降まで残存する場合や異常部位に出現する場合は、他の色素性疾患や皮膚腫瘍との鑑別が重要となる。虐待との誤認防止のため、母子手帳や診療記録への記載が推奨される。

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