偽痛風
概要
偽痛風はピロリン酸カルシウム二水和物(CPPD)結晶の関節内沈着によって生じる関節炎で、高齢者に多く発症する。急性発作は膝などの大関節に多く、痛風と類似した臨床像を呈するが、尿酸値の異常は伴わない。
要点
- ピロリン酸カルシウム結晶沈着が主因
- 急性発作は膝関節など大関節に多い
- 痛風と類似するが尿酸値上昇は伴わない
病態・原因
加齢や関節変性、代謝異常などを背景に、ピロリン酸カルシウム二水和物結晶が関節内に沈着し、炎症反応を引き起こす。副甲状腺機能亢進症やヘモクロマトーシスなど基礎疾患を伴うこともある。
主症状・身体所見
膝や手首などの大関節に急性の発赤・腫脹・疼痛が出現する。発熱や局所の熱感もみられることがあり、症状は痛風発作と酷似するが、発症年齢や関節部位が異なる場合が多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 関節液検査 | ピロリン酸カルシウム結晶の検出 | 偏光顕微鏡下で弱陽性複屈折結晶 |
| 単純X線 | 軟骨内石灰化 | 関節軟骨や半月板に点状石灰化像 |
| 血液検査 | 炎症反応上昇 | CRP・白血球増加、尿酸値は正常 |
関節液中のCPPD結晶の検出が診断の決め手。X線では関節軟骨や半月板の石灰化像が特徴的。痛風との鑑別には尿酸値や結晶の種類が重要となる。
治療
- 第一選択:NSAIDsによる消炎鎮痛
- 補助療法:関節穿刺・ステロイド関節内注射・冷罨法
- 注意点:慢性化例や再発例では基礎疾患の検索・治療も重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 痛風 | 尿酸結晶沈着・中年男性に多い | 関節液で尿酸結晶、尿酸値上昇 |
| 化膿性関節炎 | 強い全身症状・化膿性炎症 | 関節液で細菌検出、CRP高値 |
補足事項
慢性化すると変形性関節症様の関節障害をきたすことがある。副甲状腺機能亢進症やヘモクロマトーシスなどの基礎疾患が隠れていないか注意する。