化膿性関節炎
概要
化膿性関節炎は関節内に細菌が侵入し、急性の炎症と膿の貯留を引き起こす疾患。主に黄色ブドウ球菌などの細菌感染が原因で、迅速な診断と治療が不可欠。進行すると関節破壊や全身感染を来すことがある。
要点
- 細菌感染による急性関節炎である
- 迅速な診断・治療が関節機能温存に重要
- 免疫低下患者や基礎疾患のある高齢者で重症化しやすい
病態・原因
血行性感染が最も多く、外傷や関節内注射、手術後の直接感染も原因となる。主な起因菌は黄色ブドウ球菌、連鎖球菌、グラム陰性桿菌などで、基礎疾患(糖尿病、関節リウマチなど)や免疫抑制状態がリスク因子となる。
主症状・身体所見
急性発症の関節痛、腫脹、発赤、熱感、可動域制限が主症状で、発熱や全身倦怠感を伴うことが多い。単関節病変が典型的だが、多関節に及ぶこともある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 関節液穿刺 | 膿性、白血球増多、細菌検出 | グラム染色・培養が必須 |
| 血液検査 | 白血球増多、CRP・ESR上昇 | 全身炎症反応の評価 |
| 画像検査 | 関節腫脹、骨破壊 | X線、MRIで進行度や合併症確認 |
関節液のグラム染色・培養が診断の決め手となる。早期ではX線変化は乏しいが、進行例では骨びらんや関節破壊がみられる。MRIは関節内外の炎症や膿瘍形成の評価に有用。
治療
- 第一選択:関節ドレナージと適切な抗菌薬投与
- 補助療法:安静・関節固定、全身管理、リハビリテーション
- 注意点:早期治療開始と、抗菌薬の適正使用、再発や関節破壊の予防
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 痛風 | 発作性・尿酸値高値 | 関節液で尿酸結晶検出 |
| 関節リウマチ | 多関節・慢性経過・対称性 | リウマトイド因子陽性 |
| 偽痛風 | 高齢・膝関節多い・急性発症 | 関節液でピロリン酸結晶 |
補足事項
治療遅延は不可逆的な関節破壊や全身性敗血症のリスクとなるため、疑わしい場合は速やかに関節穿刺・培養を行い、経験的抗菌薬を開始する。基礎疾患の管理も重要である。