Turner症候群
概要
Turner症候群は女性に発症するX染色体の全体または一部の欠失を特徴とする先天性疾患。低身長、性腺発育不全、特徴的身体所見を呈し、多彩な臓器合併症を伴う。モザイク型を含めて表現型には多様性がある。
要点
- X染色体の欠損や異常により発症する女性特有の疾患
- 低身長、思春期発来不全、不妊症が主な臨床特徴
- 心血管・腎・内分泌など多臓器合併症を伴うことが多い
病態・原因
主な原因はX染色体の全体または一部の欠失(45,X型)や構造異常、モザイク型などの染色体異常である。発生初期の染色体異常が胎児の発育や性腺形成に影響を及ぼす。
主症状・身体所見
低身長、翼状頸、外反肘、広い胸郭(盾状胸)、原発性無月経、第二次性徴の欠如が特徴的。心奇形(大動脈縮窄症、二尖弁)、腎奇形、甲状腺疾患、難聴などの合併症がみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 染色体分析 | 45,Xまたはモザイク型、構造異常 | 診断の決定打となる |
| ホルモン検査 | ゴナドトロピン高値、エストロゲン低値 | 性腺機能不全の評価 |
| 心エコー | 大動脈縮窄症、二尖弁などの心奇形 | 合併症スクリーニング |
診断は染色体分析によるX染色体の異常確認が必須。心臓・腎臓・甲状腺などの臓器合併症評価も重要であり、画像検査や超音波検査が用いられる。
治療
- 第一選択:成長ホルモン補充療法、思春期以降はエストロゲン・プロゲステロン補充
- 補助療法:合併症(心疾患・腎疾患・甲状腺疾患など)の管理、心理的サポート
- 注意点:妊娠は原則困難だが、補助生殖技術の適応例あり。定期的な臓器評価が必要。
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| Klinefelter症候群 | 男性、XXY核型、高身長、女性化乳房 | 染色体分析でXXY |
| 先天性副腎皮質過形成 | 男児・女児どちらも、外性器異常 | 17-OHP高値、染色体は正常 |
| Prader-Willi症候群 | 筋緊張低下、肥満、知的障害 | 染色体異常は15番染色体の欠失等 |
補足事項
Turner症候群は小児期から成人期に至るまで多領域での管理が必要であり、定期的なフォローアップが重要。モザイク型では症状が軽度な場合もある。生涯にわたる合併症リスクを念頭に置く。