C型肝炎
概要
C型肝炎はC型肝炎ウイルス(HCV)感染による慢性肝疾患であり、血液を介して主に感染する。慢性化しやすく、肝硬変や肝細胞癌への進展リスクが高い。無症候性のことが多く、進行まで気づかれにくい特徴を持つ。
要点
- HCV感染は慢性化率が高く、長期的な肝障害を引き起こす
- 進行すると肝硬変や肝細胞癌のリスクが著明に上昇する
- 近年は直接作用型抗ウイルス薬(DAA)により高い治癒率が得られている
病態・原因
C型肝炎ウイルス(HCV)は主に血液を介して感染し、注射針の使い回しや輸血、医療行為などがリスクとなる。ウイルスは肝細胞に持続感染し、免疫反応や炎症を介して慢性的な肝障害を引き起こす。
主症状・身体所見
多くは無症状だが、進行例では倦怠感、食欲不振、黄疸、腹水、浮腫、出血傾向などがみられる。慢性肝炎から肝硬変、肝細胞癌へと進展することがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| HCV抗体・HCV RNA | 陽性 | HCV RNAで活動性感染を確認 |
| 肝機能検査 | AST/ALT上昇、γ-GTP上昇など | 慢性経過では軽度上昇が多い |
| 腹部超音波 | 肝腫大、線維化像、腫瘤形成 | 肝硬変・肝癌合併の評価に有用 |
HCV感染はHCV抗体陽性とHCV RNA陽性で確定される。慢性肝炎の診断には6か月以上の持続的なHCV RNA陽性を確認する。肝線維化や肝癌の評価には画像検査や線維化マーカーも活用される。
治療
- 第一選択:直接作用型抗ウイルス薬(DAA)による内服治療
- 補助療法:肝保護、生活習慣改善、肝癌サーベイランス
- 注意点:治療中・後も肝癌発症リスクは残存するため定期的な経過観察が必要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| B型肝炎 | HBs抗原・HBV DNA陽性 | HCV抗体陰性・HBV関連マーカー陽性 |
| 自己免疫性肝炎 | 高γグロブリン血症・自己抗体陽性 | ANA・SMA陽性、HCV抗体陰性 |
| 薬剤性肝障害 | 特定薬剤の服用歴、急性経過 | ウイルスマーカー陰性、薬剤歴 |
補足事項
HCVは遺伝子型が複数存在し、治療選択に影響する。日本では1b型が多い。ワクチンは存在せず、予防には感染経路遮断が重要である。