骨Paget病

概要

骨Paget病は、骨のリモデリング異常を特徴とする慢性骨疾患で、中高年以降に発症することが多い。骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、異常な骨肥厚や変形を生じる。欧米での発症が多く、日本では稀な疾患である。

要点

  • 骨リモデリングの異常により骨肥厚・変形を生じる
  • アルカリフォスファターゼ(ALP)上昇が特徴的
  • 骨痛や変形、病的骨折が主症状

病態・原因

骨Paget病は、破骨細胞による骨吸収の亢進と、それに続く骨芽細胞による異常な骨形成が繰り返されることで発症する。遺伝的素因やウイルス感染の関与が示唆されているが、明確な原因は不明である。

主症状・身体所見

主な症状は骨痛や骨の変形、局所的な腫脹である。進行すると病的骨折や関節障害、神経圧迫症状(難聴など)を伴うことがある。多くは無症候性で偶然発見される場合もある。

検査・診断

検査所見補足
血清ALP上昇骨型ALPの著明な増加
画像検査(X線)骨肥厚・骨変形骨梁構造の粗造化、象牙質像
骨シンチグラフィ異常集積病変部の広がりを評価

診断は特徴的な画像所見と血清ALPの上昇を根拠に行う。骨シンチグラフィで病変範囲を評価し、悪性腫瘍との鑑別も重要である。

治療

  • 第一選択:ビスホスホネート製剤の投与
  • 補助療法:鎮痛薬、理学療法、ビタミンD補充
  • 注意点:悪性化や高カルシウム血症の合併に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
骨粗鬆症骨密度低下・骨折ALP正常、骨吸収亢進
骨軟化症骨痛・筋力低下ALP上昇、低カルシウム血症
骨形成不全症幼少時からの骨折家族歴、青色強膜

補足事項

Paget病は欧米に多いが日本では稀であり、無症候性の例も多い。稀に骨肉腫など悪性化のリスクがあるため、経過観察も重要である。

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