陰囊水腫

概要

陰囊水腫は精巣や精索を包む鞘膜腔に漿液が過剰に貯留した状態であり、主に小児に多くみられる。成人では外傷や炎症、腫瘍などが原因となることがある。自然軽快することも多いが、症状や原因に応じて治療が必要となる。

要点

  • 精巣や精索周囲に液体が貯留する良性疾患
  • 小児では自然治癒が多く、成人は原因精査が重要
  • 鑑別には精巣腫瘍やヘルニアを考慮する

病態・原因

小児では鞘状突起の閉鎖不全による交通性水腫が多く、成人では炎症、外傷、腫瘍、リンパ還流障害などが原因となる。液体貯留により陰囊が腫大する。

主症状・身体所見

陰囊の無痛性腫大が特徴で、圧痛や発赤は通常認めない。光を当てると透光性を示す(透光性陰囊)。大きさは日内変動することがある。

検査・診断

検査所見補足
透光試験陰囊内容が光を通す腫瘍やヘルニアとの鑑別
陰囊超音波液体貯留、精巣・精索の状態腫瘍や血腫の除外
尿検査通常異常なし合併感染の評価

超音波検査で液体貯留と精巣の位置・状態を確認し、腫瘍やヘルニアとの鑑別を行う。透光試験は簡便なスクリーニングとなる。

治療

  • 第一選択:経過観察(小児で症状軽度の場合)
  • 補助療法:穿刺排液(成人や症状強い場合、根治には手術)
  • 注意点:成人では原因疾患の検索と治療、感染や再発に注意

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
精巣腫瘍透光性なし、硬結触知超音波で腫瘍性変化
外鼠径ヘルニア立位・腹圧で腫大、還納可能超音波で腸管像
精索静脈瘤立位で腫大、怒責で増強超音波で血管拡張

補足事項

小児の交通性水腫は2歳頃まで自然治癒が多い。成人発症や症状増悪例では腫瘍や感染の除外が重要である。再発例や両側性の場合は追加精査を考慮する。

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