精索静脈瘤

概要

精索静脈瘤は、精巣静脈(蔓状静脈叢)の異常な拡張・蛇行を指し、主に左側に発生することが多い。思春期以降の男性に多く、男性不妊の原因となることがある。陰嚢の腫脹や不快感を訴えることが多い。

要点

  • 精巣周囲静脈の拡張・蛇行が特徴
  • 男性不妊の重要な原因の一つ
  • 多くは左側に発生し、陰嚢腫脹や不快感を伴う

病態・原因

左精巣静脈が腎静脈に直角で合流する解剖学的特徴や、静脈弁不全が主な原因となる。血液のうっ滞による静脈拡張が精巣温度上昇や酸化ストレスを引き起こし、精子形成障害を招く。

主症状・身体所見

陰嚢の腫脹や重だるさ、不快感が主な症状で、立位で増悪することが多い。触診で「ミミズ状」の腫脹を認めることが特徴的。無症状で偶然発見されることもある。

検査・診断

検査所見補足
触診ミミズ状の索状物を触知立位で増強、臥位で軽減
陰嚢超音波検査拡張した静脈径、血流逆流Valsalva手技で逆流確認可能

触診と超音波検査が診断の中心であり、特にValsalva手技下での逆流確認が有用。静脈径2~3mm以上や逆流時間2秒以上が診断基準となる。

治療

  • 第一選択:顕微鏡下精索静脈瘤手術(結紮術)
  • 補助療法:対症療法(鎮痛、サポーター着用)
  • 注意点:無症状例や妊孕性に影響しない場合は経過観察も選択肢

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
陰嚢水腫透光性あり、痛み少ない超音波で液体貯留を確認
精巣腫瘍硬結・腫瘤触知、進行性腫大超音波で腫瘤像、腫瘍マーカー

補足事項

精索静脈瘤は小児・思春期にも発症しうるため、成長期の精巣萎縮にも注意が必要。再発例や難治例では血管内治療(塞栓術)も考慮する。

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