間質性肺炎
概要
間質性肺炎は肺の間質に炎症や線維化を生じる疾患群であり、進行性の呼吸障害と不可逆的な肺機能低下を特徴とする。特発性のものから膠原病や薬剤、環境要因に起因するものまで多岐にわたる。慢性経過をとることが多く、予後不良例も少なくない。
要点
- 肺間質の炎症・線維化が主体
- 原因は多様で、特発性・二次性が存在
- 進行性呼吸困難と拡散能低下が主徴
病態・原因
間質性肺炎は肺胞壁や間質の炎症・線維化を主病変とし、ガス交換障害を生じる。特発性肺線維症や膠原病、薬剤、粉塵曝露などが主な原因である。慢性炎症が持続し、進行性の線維化が不可逆的な肺機能障害をもたらす。
主症状・身体所見
労作時呼吸困難、乾性咳嗽が代表的であり、進行例では安静時にも呼吸困難が出現する。聴診上、両側下肺野にfine crackles(捻髪音)が特徴的で、ばち指を伴うことも多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 胸部X線/CT | 網状影、蜂巣肺、すりガラス影 | 特に高分解能CTが有用 |
| 肺機能検査 | 拘束性換気障害、DLco低下 | 進行例で顕著 |
画像所見では両側性の網状影や蜂巣肺が特徴で、高分解能CTでの診断が標準とされる。診断には臨床像・画像・肺生検などを総合的に評価する。
治療
- 第一選択:抗線維化薬(ピルフェニドン、ニンテダニブ)または副腎皮質ステロイド
- 補助療法:酸素投与、呼吸リハビリテーション、ワクチン接種
- 注意点:感染予防、薬剤性肺障害や急性増悪の早期発見
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 特発性肺線維症 | 高齢男性・進行性・蜂巣肺 | HRCTで下葉優位の蜂巣肺 |
| 過敏性肺炎 | 抗原曝露歴・発熱・急性経過 | CTで小葉中心性粒状影 |
補足事項
急性増悪時は重篤な呼吸不全を呈することがあり、集中治療が必要となる。膠原病や薬剤性など原因検索も重要である。近年、抗線維化薬の登場により一部疾患で予後改善が期待されている。