重複子宮
概要
重複子宮は、胎生期のミュラー管癒合不全により2つの子宮腔が形成される先天性子宮奇形である。多くは腟・子宮頸部にも重複を伴い、不妊や流産のリスクが高まる。症状は無症状から月経異常、不妊、流産まで多彩である。
要点
- 胎生期のミュラー管癒合不全が原因
- 不妊や流産のリスク増加
- 無症状から月経異常まで症状は多様
病態・原因
胎生6〜12週にミュラー管の癒合障害が生じ、2つの独立した子宮腔が形成される。腟や子宮頸部にも重複を伴うことが多い。発症には遺伝的要因や環境因子が関与することが示唆されている。
主症状・身体所見
多くは無症状だが、月経困難症や異常出血、反復流産、不妊症で発見されることが多い。内診や超音波検査で子宮・腟の重複が認められる場合がある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 2つの子宮体・腔を認める | 経腟・経腹エコーで評価 |
| MRI | 子宮・腟・頸部の重複構造を詳細に描出 | 形態・合併奇形の確認 |
| 子宮鏡検査 | 2つの子宮腔を直接観察 | 必要に応じて実施 |
画像診断が中心であり、MRIは形態評価や他の生殖器奇形の合併確認に有用。診断基準は子宮体・腔が2つ明瞭に分かれることを確認する。
治療
- 第一選択:無症状なら経過観察、症状や不妊例では手術(Strassman手術など)
- 補助療法:不妊カウンセリング、流産予防管理
- 注意点:妊娠時は流産・早産リスクが高いため周産期管理が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 双角子宮 | 子宮体部のみ2つに分かれる | MRI・超音波で形態区別 |
| 中隔子宮 | 子宮腔のみ中隔で分かれる | MRIで外形は正常 |
| 単角子宮 | 子宮体が一側性で形成される | 超音波で片側のみ認める |
補足事項
重複子宮は腟・外陰部の重複や腎奇形など他の先天奇形を合併することがある。妊娠管理や分娩方法の選択にも注意が必要である。