進行流産
概要
進行流産は妊娠22週未満で胎児や付属物が子宮外へ排出されつつある状態を指す。子宮口が開大し、出血や腹痛を伴うことが多い。妊娠の継続は不可能であり、流産の一過程として認識される。
要点
- 子宮口開大と胎児・付属物の排出進行が特徴
- 大量の腟出血や下腹部痛が主症状
- 妊娠の継続は不可能で、速やかな対応が必要
病態・原因
進行流産は、胎児や胎盤が子宮内から排出される過程で発生する。染色体異常、母体疾患、感染、外傷などが誘因となる。子宮収縮が強まり、子宮口が開大することで排出が進む。
主症状・身体所見
主な症状は多量の腟出血と強い下腹部痛である。内診にて子宮口の開大および胎児・付属物の一部が腟内に認められることがある。ショック症状を呈することもあるため注意が必要。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 経腟超音波 | 胎児心拍消失・内容物排出 | 子宮腔内の内容物の有無を確認 |
| 内診 | 子宮口開大・内容物触知 | 胎児・付属物の排出状況を把握 |
| 血液検査 | 貧血・炎症反応 | 出血量や感染合併の評価 |
経腟超音波で子宮内の内容物の状態や胎児心拍の有無を確認する。内診で子宮口の開大や排出物の有無を評価し、急速な進行例ではショックの有無を随時確認する。
治療
- 第一選択:子宮内容除去術(掻爬術・吸引法)
- 補助療法:輸液・輸血、感染予防のための抗菌薬投与
- 注意点:大量出血や感染、ショック症状の早期対応
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 切迫流産 | 子宮口未開大、胎児心拍あり | 超音波で胎児心拍を確認可能 |
| 稽留流産 | 子宮口未開大、胎児心拍消失 | 内容物の排出なく心拍消失 |
| 異所性妊娠 | 子宮外妊娠、下腹部痛・出血 | 子宮内に胎嚢確認できない |
補足事項
進行流産は母体の生命に関わる重篤な合併症(大量出血、感染、ショック)を伴うことがあるため、緊急性の高い産科救急疾患である。流産後の精神的ケアも重要となる。