膝蓋軟骨軟化症

概要

膝蓋軟骨軟化症は、膝蓋骨(膝のお皿)の軟骨が軟化・変性し、疼痛や機能障害を生じる疾患である。若年女性やスポーツ選手に多く、膝前面の痛みを主訴とする。進行すると変形性膝関節症の原因となることもある。

要点

  • 膝蓋骨軟骨の変性・軟化が主病態
  • 若年女性やスポーツ活動者に好発
  • 膝前面痛や階段昇降時の疼痛が特徴

病態・原因

膝蓋骨軟骨が過度の荷重や繰り返しの摩擦によって軟化・変性する。解剖学的な膝蓋骨のアライメント異常、筋力バランス不良、過度なスポーツ活動がリスク因子となる。

主症状・身体所見

膝前面痛(特に階段昇降や長時間の座位後の動作開始時)、膝蓋骨周囲の圧痛、膝の違和感や腫脹感がみられる。膝蓋骨のグラインディングテスト(膝蓋骨圧迫テスト)で疼痛が誘発されることがある。

検査・診断

検査所見補足
単純X線多くは異常なし進行例では軟骨下骨変化を認める場合あり
MRI軟骨の変性・菲薄化を描出軟骨損傷の評価に有用
関節鏡軟骨表面の軟化・亀裂診断と同時に治療も可能

MRIは膝蓋骨軟骨の変性や菲薄化を直接評価できるため、診断に有用である。X線では進行例で軟骨下骨の変化がみられることがあるが、初期には異常所見が乏しい。関節鏡検査で直接軟骨の状態を確認することもある。

治療

  • 第一選択:保存療法(安静、理学療法、消炎鎮痛薬)
  • 補助療法:大腿四頭筋強化訓練、ストレッチ、装具療法
  • 注意点:症状遷延例や重症例では関節鏡下手術を考慮

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
変形性膝関節症高齢者、膝全体の痛み・変形X線で関節裂隙狭小化
膝半月板損傷捻転外傷歴、ロッキング現象MRIで半月板損傷
前十字靱帯損傷急性外傷、膝不安定感MRIで靱帯断裂像

補足事項

膝蓋軟骨軟化症は膝蓋大腿関節のアライメント異常や筋力低下が背景にあるため、予防や再発防止には運動療法が重要となる。重症例では関節鏡下手術(デブリードマンや軟骨形成術)が選択されることもある。

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