膝半月板損傷
概要
膝半月板損傷は、膝関節内にある半月板が外傷や加齢変性により断裂・損傷する疾患である。スポーツ外傷や加齢に伴う変性が主な原因となる。損傷部位や程度により症状や治療方針が異なる。
要点
- スポーツや外傷により発生しやすい
- 膝の痛み・ロッキングなどの症状が出現
- 画像検査(MRI)が診断に有用
病態・原因
外傷性損傷は膝の捻転や屈伸動作などで発生しやすく、特にスポーツ活動中に多い。加齢による変性断裂もあり、40歳以上では軽微な外力でも損傷が起こりうる。内側半月板に生じることが多い。
主症状・身体所見
膝関節の疼痛、腫脹、可動域制限、歩行時の引っかかり感やロッキング現象が特徴的である。圧痛やMcMurrayテスト陽性などの身体所見が認められる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| MRI | 半月板の断裂像、変性像 | 感度・特異度が高い |
| X線検査 | 骨病変や関節裂隙狭小化の評価 | 半月板自体は描出不可 |
| 関節鏡検査 | 直接半月板損傷を観察 | 診断と治療を兼ねる |
MRIは半月板損傷の診断に最も有用であり、損傷部位や形態を詳細に評価できる。関節鏡検査は確定診断および治療の目的で施行される。
治療
- 第一選択:保存療法(安静、消炎鎮痛薬、リハビリ)または関節鏡下半月板部分切除・縫合術
- 補助療法:物理療法、装具療法、筋力強化訓練
- 注意点:早期復帰の焦りによる再損傷や変形性膝関節症への進展に注意
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 前十字靱帯損傷 | 膝不安定感・Lachmanテスト陽性 | MRIで靱帯損傷を確認 |
| 変形性膝関節症 | 高齢者、慢性的な疼痛 | X線で関節裂隙狭小化 |
| 膝蓋軟骨軟化症 | 膝蓋骨周囲の痛み | MRIで軟骨変性所見 |
補足事項
半月板損傷は、損傷の部位や形態(縦断裂、横断裂、バケツ柄断裂など)によって治療適応が異なる。血流の乏しい部位の損傷は自然治癒しにくい。若年者やスポーツ選手では半月板温存が推奨される傾向にある。