腹壁破裂

概要

腹壁破裂は新生児に発生する腹壁の先天的欠損であり、臍部の右側に腹壁の開口部を生じる。腸管などの腹腔内臓器が羊水中へ露出することが特徴で、臍帯との位置関係や臓器被覆膜の有無が臍帯ヘルニアと異なる。

要点

  • 臍部右側に腹壁欠損が生じ、臓器が露出する
  • 臓器は被膜で覆われず、感染や脱水のリスクが高い
  • 早期の外科的治療が生命予後を左右する

病態・原因

胎生期の腹壁形成過程に障害が生じることで発症し、主に臍静脈退縮部近傍の腹壁が閉鎖不全となる。リスク因子としては若年妊娠や母体の特定薬剤曝露、環境要因が指摘されている。

主症状・身体所見

出生直後から臍部右側の腹壁欠損部より小腸を中心とした腹腔内臓器が露出し、臓器は被膜に覆われていない。臓器の浮腫や炎症、脱水、感染兆候がみられることがある。

検査・診断

検査所見補足
産科超音波臍帯右側に臓器突出、被膜なし妊娠中の胎児診断に有用
直接観察臍部右側の腹壁欠損・臓器露出(被膜なし)出生時に診断確定
血液検査脱水・感染・電解質異常の有無管理方針決定に重要

出生前診断は超音波検査で臍帯右側の腹壁欠損および臓器突出を確認することで行う。出生後は臨床的特徴から診断し、臓器の被膜有無や臍帯との位置関係で臍帯ヘルニアと鑑別する。

治療

  • 第一選択:外科的整復術(一期的または段階的閉鎖)
  • 補助療法:脱水・感染・低体温予防、輸液・抗菌薬投与
  • 注意点:臓器損傷・腹腔内圧上昇症候群・二次感染の管理

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
臍帯ヘルニア臍部中央・被膜あり・臍帯中心から突出臓器が羊膜・腹膜で被覆される
腹壁瘢痕ヘルニア既往手術部位に発生・被膜あり既往歴と画像で区別可能

補足事項

腹壁破裂は近年発生率が増加傾向にあり、出生前診断の発達により早期管理が可能となった。臍帯ヘルニアとの鑑別が重要である。

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