胆囊腺筋腫症

概要

胆囊腺筋腫症は、胆囊壁の粘膜上皮と筋層の過形成を特徴とする良性疾患である。胆囊壁の肥厚やRokitansky-Aschoff洞の形成が認められ、胆石症との合併が多い。無症状例も多いが、胆囊癌との鑑別が重要となる。

要点

  • 胆囊壁の限局性またはびまん性肥厚と嚢胞状変化が特徴
  • 胆石症や胆囊癌との鑑別が重要
  • 無症状から右上腹部痛・消化器症状まで多彩な臨床像

病態・原因

胆囊腺筋腫症は、胆囊壁の慢性的な炎症や機械的刺激により、粘膜上皮の陥入(Rokitansky-Aschoff洞)と筋層の過形成が生じることで発症する。胆石や胆汁うっ滞がリスク因子とされる。

主症状・身体所見

多くは無症状だが、右上腹部痛や不快感、消化不良、悪心などを認めることがある。身体所見では特異的な所見は少ないが、圧痛や胆囊腫大を伴う場合もある。

検査・診断

検査所見補足
腹部超音波胆囊壁の肥厚、嚢胞状変化コメットサインやRokitansky-Aschoff洞
CT/MRI胆囊壁の限局性肥厚、嚢胞状構造胆囊癌との鑑別に有用
内視鏡超音波粘膜下嚢胞や壁内結節癌との鑑別診断補助

画像診断で胆囊壁の肥厚と嚢胞状変化、Rokitansky-Aschoff洞の存在が診断の決め手となる。胆囊癌との鑑別が困難な場合は追加検査や手術的診断が必要となる。

治療

  • 第一選択:無症状例は経過観察、症状や癌疑い例では胆囊摘出術
  • 補助療法:胆石合併例では胆石治療、消化器症状に対する対症療法
  • 注意点:胆囊癌との鑑別困難例や壁内結節の増大例では早期手術を検討

鑑別・比較

疾患見分けるキーポイント検査差異
慢性胆囊炎胆囊壁肥厚だが嚢胞状変化は乏しい超音波でRokitansky-Aschoff洞なし
胆囊癌壁内結節・腫瘤形成、進行性肥厚造影CT・MRIで壁外浸潤・腫瘤像
胆石症胆石による症状が主体、壁肥厚は軽度超音波で明瞭な結石像

補足事項

胆囊腺筋腫症は良性疾患だが、胆囊癌の発生母地となる可能性が指摘されている。特に限局型や結節型では悪性化リスクに注意が必要である。

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