社会不安障害
概要
社会不安障害は、他者から注目される場面や対人状況で強い不安や緊張を感じ、回避行動をとる精神疾患である。発症は思春期から青年期に多く、日常生活や社会活動に著しい支障をきたす。症状は慢性化しやすく、うつ病など他の精神疾患を合併することも多い。
要点
- 対人場面での強い不安や緊張が特徴
- 回避行動や身体症状が日常生活に影響
- うつ病や他の不安障害との併発が多い
病態・原因
社会的評価への過度な恐怖や否定的自己認知が根底にあり、遺伝的素因や幼少期の対人関係経験、家庭環境などがリスク因子とされる。神経伝達物質(セロトニン等)の機能異常も関与する。
主症状・身体所見
人前で話す、食事をする、注目される状況で強い不安や動悸、発汗、ふるえ、赤面、声の震えなどが出現する。著しい回避行動や、社会活動・学業・仕事への支障がみられる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 精神科面接 | 社会的状況での強い不安・回避 | 病歴・症状を詳細に聴取 |
| 社会不安尺度(LSAS等) | 高得点 | 重症度評価に用いる |
診断はDSM-5などの診断基準に基づき、持続的な対人状況での不安・回避行動の有無を確認する。身体疾患や他の精神障害による症状でないことの除外も重要である。
治療
- 第一選択:認知行動療法(CBT)、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
- 補助療法:抗不安薬、支持的精神療法、社会技能訓練
- 注意点:薬物療法中の副作用や依存、再発予防のための長期的支援
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| パニック障害 | 予期しない発作性不安、広場恐怖 | 発作の突発性・身体症状の有無 |
| 全般性不安障害 | 日常全般への過剰な不安 | 不安の対象が広範・慢性経過 |
補足事項
社会不安障害は慢性化しやすいため、早期発見と継続的な治療介入が重要となる。学校や職場での理解・支援体制の構築も患者の社会復帰に寄与する。