眼瞼炎
概要
眼瞼炎は、まぶたの皮膚や縁に炎症が生じる疾患で、細菌感染、アレルギー、皮脂腺の異常など多様な原因による。慢性化しやすく、眼症状や皮膚症状を繰り返すことが多い。適切な治療とセルフケアで再発予防が重要となる。
要点
- まぶたの発赤・腫脹・痒みなどの炎症症状が特徴
- 細菌感染や皮脂腺障害、アレルギーなど多様な原因
- 慢性化・再発例が多く、セルフケアの指導が重要
病態・原因
眼瞼炎は主にまぶたの縁や皮膚に炎症が生じる状態で、黄色ブドウ球菌などの細菌感染、脂漏性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、マイボーム腺機能不全、アレルギー反応などが原因となる。慢性化しやすく、環境要因や体質も関与する。
主症状・身体所見
まぶたの発赤、腫脹、痒み、疼痛、鱗屑や痂皮の付着、まつ毛の脱落などがみられる。重症例では結膜炎や角膜障害を併発することもある。眼脂や異物感、乾燥感を伴うことも多い。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 眼科的視診 | 眼瞼縁の発赤、腫脹、鱗屑、痂皮など | 皮膚症状やマイボーム腺の状態も観察 |
| 細菌培養 | 黄色ブドウ球菌などの細菌検出 | 感染性が疑われる場合に実施 |
| 皮膚パッチテスト | アレルギー性が疑われる場合陽性反応 | アトピーや接触皮膚炎の鑑別に有用 |
診断は主に視診による臨床診断が中心となるが、再発例や難治例では細菌培養やアレルギー検査を行う。角膜・結膜病変の合併があれば細隙灯顕微鏡検査も行う。
治療
- 第一選択:抗菌薬点眼・眼軟膏、眼瞼清拭
- 補助療法:ステロイド外用、人工涙液点眼、温罨法
- 注意点:慢性化予防のためセルフケア指導、再発時は原因精査
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 霰粒腫 | 無痛性の腫瘤、慢性経過 | マイボーム腺の閉塞像 |
| 麦粒腫 | 急性発症、疼痛と限局性腫脹 | 膿点形成、圧痛が強い |
| アレルギー性結膜炎 | 眼瞼浮腫よりも結膜充血・掻痒感が主体 | 結膜の所見が主、眼脂少ない |
補足事項
眼瞼炎は再発しやすいため、まぶたの衛生管理や生活習慣の指導が重要となる。難治例や重症例では基礎疾患の精査や皮膚科・眼科の連携が推奨される。