霰粒腫
概要
霰粒腫は、眼瞼のマイボーム腺が慢性的に閉塞・炎症を起こすことで生じる無痛性の腫瘤である。感染を伴わない非化膿性炎症で、比較的頻度が高い良性疾患である。自然治癒も多いが、長期化や増大例では治療介入が必要となる。
要点
- 眼瞼に生じる無痛性の腫瘤である
- マイボーム腺の慢性炎症・閉塞が主因
- 治療は保存的加療が主体だが難治例では手術も考慮
病態・原因
マイボーム腺の開口部が閉塞し、腺腔内に分泌物が貯留することで慢性の肉芽腫性炎症が生じる。脂質異常や慢性の眼瞼炎、アトピー素因などがリスク因子となる。
主症状・身体所見
眼瞼の皮下に硬く可動性のある無痛性結節が出現する。発赤や圧痛は通常認めないが、二次感染時には疼痛や発赤を伴うことがある。視力障害はほとんどない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 視診・触診 | 眼瞼の無痛性腫瘤、発赤なし | 典型例ではこれで診断可能 |
| 細隙灯検査 | 皮下の腫瘤、皮膚発赤なし | 他疾患(腫瘍等)との鑑別 |
典型例では視診と触診のみで診断可能だが、再発や難治例、高齢者では悪性腫瘍(脂腺癌等)との鑑別のため病理組織検査が必要となる場合がある。
治療
- 第一選択:温罨法・マッサージなどの保存的治療
- 補助療法:ステロイド局所注射や抗生物質点眼(感染合併時)
- 注意点:難治例や長期例では切開・摘出術を検討、悪性腫瘍との鑑別も重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 麦粒腫 | 急性発症・有痛性・発赤腫脹 | 圧痛・膿点形成が特徴 |
| 眼瞼腫瘍 | 高齢者・難治性・増大傾向 | 組織診断が必要 |
補足事項
小児やアトピー性皮膚炎患者で多発・再発例がみられることがある。難治例や再発例では脂腺癌など悪性腫瘍の除外が必須である。