発疹熱
概要
発疹熱は、発熱とともに全身性の発疹を特徴とする感染症の総称。主にウイルス感染が原因で、麻疹、風疹、水痘、突発性発疹などが代表的疾患。小児に多く、流行性や予防接種の有無が疫学的に重要となる。
要点
- 発熱と全身性発疹が同時または連続して出現する
- 多くはウイルス性で小児に好発
- 鑑別には典型的な発疹の分布や経過が重要
病態・原因
発疹熱はウイルス感染による全身性の炎症反応が主な病態であり、ウイルスが血流を介して皮膚に到達し発疹を生じる。代表的な原因ウイルスには麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型などがある。
主症状・身体所見
発熱と同時または前後して紅斑性の発疹が全身に出現する。咳嗽、咽頭痛、リンパ節腫脹、結膜充血などの随伴症状を伴うことも多い。発疹の形態や出現順序が疾患ごとに異なる。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 血液検査 | 白血球数やCRPの軽度上昇 | ウイルス性が多く重度炎症は少ない |
| ウイルス抗体価 | IgM抗体上昇 | 麻疹・風疹などで特異的抗体測定 |
| PCR検査 | ウイルス遺伝子検出 | 診断確定や流行時に有用 |
発疹熱の診断は、発熱と発疹の時期・分布・形態、流行状況、ワクチン接種歴などの臨床情報が重要。必要に応じてウイルス抗体価やPCRで確定診断を行う。
治療
- 第一選択:対症療法(安静、解熱鎮痛薬、十分な水分補給)
- 補助療法:必要に応じて抗ヒスタミン薬や補液
- 注意点:二次感染や重症化(脳炎・肺炎)に注意、ワクチン未接種者には感染拡大防止策
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 麻疹 | 口腔内コプリック斑、発疹前のカタル症状 | 麻疹ウイルスIgM陽性 |
| 風疹 | 耳後部リンパ節腫脹、淡紅色発疹 | 風疹ウイルスIgM陽性 |
| 突発性発疹 | 解熱後の発疹出現、乳幼児に多い | HHV-6/7のPCR陽性 |
補足事項
発疹熱は多くが予後良好だが、麻疹など一部は重篤な合併症を起こすことがある。ワクチンによる予防が重要であり、流行時は公衆衛生的対応も求められる。