毛包炎
概要
毛包炎は毛包に限局した細菌感染症で、主に黄色ブドウ球菌が原因となる。皮膚表面に小膿疱や紅斑を形成し、軽症で自然軽快することが多い。免疫低下や摩擦などがリスク因子となる。
要点
- 黄色ブドウ球菌による毛包の限局性化膿性感染症
- 小膿疱・紅斑が毛穴に一致して出現
- 通常は軽症だが、慢性化や再発もある
病態・原因
主に黄色ブドウ球菌による細菌感染が毛包に生じることで発症する。皮膚のバリア障害、摩擦、発汗、免疫低下などがリスク因子となる。まれに他の細菌や真菌が原因となることもある。
主症状・身体所見
毛穴に一致した小膿疱や紅斑が出現し、軽度の疼痛や掻痒感を伴うことがある。顔面、頭皮、下肢、臀部など摩擦や湿潤の多い部位に好発する。重症化すると癤や蜂窩織炎へ進展することもある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚視診 | 毛包一致の膿疱・紅斑 | 典型的臨床像で診断可能 |
| 細菌培養検査 | 黄色ブドウ球菌検出 | 難治例や再発例で行う |
| 真菌検査 | 真菌陰性 | 鑑別目的で実施することも |
臨床的には視診で診断されるが、難治例や再発例では細菌培養を行う。真菌感染や他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合は追加検査を行う。
治療
- 第一選択:局所抗菌薬(ゲンタマイシン、フシジン酸など)の外用
- 補助療法:清潔保持、石鹸洗浄、必要時経口抗菌薬
- 注意点:再発予防には摩擦・湿潤の回避、基礎疾患の管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 癤・癰 | 毛包炎より深部まで波及 | 触診で硬結・波動あり |
| 伝染性膿痂疹 | 膿疱が拡大し痂皮形成 | 痂皮の培養で溶連菌等 |
| 酒渣様皮膚炎 | 毛包一致しない紅斑・丘疹 | 真菌・細菌陰性 |
補足事項
ステロイド外用薬の長期使用や糖尿病患者では重症化しやすい。公衆衛生やスポーツ活動での集団発生例も報告されている。自己処置による悪化や二次感染に注意が必要。