酒渣様皮膚炎
概要
酒渣様皮膚炎は、顔面を中心に発赤や丘疹、膿疱などを生じる慢性炎症性皮膚疾患である。酒渣(rosacea)に類似するが、ステロイド外用薬の長期使用が発症に関与することが多い。皮膚のバリア機能障害や細菌叢の変化が病態に関与する。
要点
- ステロイド外用薬の長期使用歴がしばしば認められる
- 顔面の紅斑・丘疹・膿疱が主症状で、酒渣と類似
- 治療は原因薬剤の中止と抗菌薬外用・内服が中心
病態・原因
酒渣様皮膚炎は、主に強力なステロイド外用薬の長期・広範囲使用により発症する。ステロイドによる皮膚のバリア機能低下や毛包・皮脂腺への影響、皮膚常在菌叢の変化などが原因となる。
主症状・身体所見
顔面、特に口囲や鼻周囲、頬部に紅斑、丘疹、膿疱が多発し、時に鱗屑や灼熱感、掻痒を伴う。酒渣と異なり、明らかな毛細血管拡張や眼症状は少ない。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚科的視診 | 顔面の紅斑・丘疹・膿疱 | ステロイド外用歴の確認が重要 |
| 皮膚生検 | 表皮の萎縮、炎症細胞浸潤 | 他疾患除外や確定診断に用いる |
臨床診断が基本であり、酒渣やアトピー性皮膚炎、接触皮膚炎などとの鑑別が重要。ステロイド外用歴の聴取が診断の決め手となる。
治療
- 第一選択:ステロイド外用薬の中止
- 補助療法:テトラサイクリン系抗菌薬内服、メトロニダゾール外用
- 注意点:急激なステロイド中止で一過性の増悪あり、漸減や保湿剤併用が推奨
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 酒渣 | 毛細血管拡張・眼症状 | ステロイド外用歴なし |
| 接触皮膚炎 | 明確な接触物質の存在 | パッチテスト陽性 |
補足事項
患者の心理的ストレスや誤ったスキンケアが症状悪化要因となる場合がある。再発防止のためには適切な薬剤使用教育が重要である。