伝染性膿痂疹
概要
伝染性膿痂疹は、主に黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌の感染によって生じる皮膚の表在性細菌感染症である。小児に多く、接触により容易に伝播し、集団生活で流行しやすい特徴を持つ。
要点
- 黄色ブドウ球菌・溶連菌による表在性皮膚感染症
- 小児に多く接触感染で集団流行しやすい
- 早期診断と適切な抗菌薬治療が重要
病態・原因
伝染性膿痂疹は、主に黄色ブドウ球菌やA群β溶血性連鎖球菌が皮膚のバリア機能低下部位に感染し発症する。虫刺されや外傷、アトピー性皮膚炎などがリスクとなり、接触感染により容易に拡大する。
主症状・身体所見
紅斑や小水疱が生じ、やがて膿疱となり破れて蜂蜜色の痂皮を形成する。自覚症状は軽度の痒みが主で、発熱などの全身症状は稀。顔や四肢など露出部に好発し、集団生活での多発が特徴的である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 皮膚病変の視診 | 水疱・膿疱・痂皮形成 | 典型的な臨床像で診断可能 |
| 細菌培養 | 黄色ブドウ球菌/溶連菌 | 症例により薬剤感受性も確認 |
臨床診断が基本で、典型的な皮疹と流行状況から診断する。重症例や治療抵抗例では細菌培養を行い、耐性菌の有無や抗菌薬選択の参考とする。
治療
- 第一選択:局所・全身抗菌薬(セフェム系、ペニシリン系、マクロライド系など)
- 補助療法:患部の洗浄、爪切り、衛生管理
- 注意点:耐性菌(MRSA)や重症化例では適切な抗菌薬選択と感染拡大防止
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| SSSS | 全身性紅斑・水疱・びらん | Nikolsky現象陽性 |
| アトピー性皮膚炎 | 湿疹様の慢性経過・痒み強い | 病理で表皮肥厚 |
| 単純ヘルペスウイルス感染症 | 群発性小水疱・再発性 | PCRやウイルス分離 |
補足事項
伝染性膿痂疹は集団生活(保育園・学童など)で流行しやすく、衛生指導や感染拡大防止策が重要。MRSAなど耐性菌例の増加も報告されているため、治療抵抗例では培養・感受性試験を考慮する。