月経困難症
概要
月経困難症は、月経時に下腹部痛や腰痛などの症状が強く現れる疾患で、日常生活に支障を来すことがある。器質的疾患の有無で一次性と二次性に分類される。若年女性に多く、子宮内膜症や子宮筋腫などの基礎疾患が背景にある場合もある。
要点
- 月経時の強い下腹部痛や腰痛が特徴
- 一次性(機能性)と二次性(器質性)に分類
- 子宮内膜症や子宮筋腫の鑑別が重要
病態・原因
一次性は思春期に発症し、プロスタグランジン過剰産生による子宮収縮亢進が主因とされる。二次性は子宮内膜症や子宮筋腫などの器質的疾患が背景に存在する。リスク因子としては若年初経、家族歴、喫煙などが挙げられる。
主症状・身体所見
主な症状は月経開始直前から始まる下腹部痛、腰痛、悪心、頭痛、下痢など。痛みは月経2~3日目にピークとなることが多い。身体所見では圧痛や、器質性の場合は子宮や付属器の腫大・圧痛がみられることがある。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 超音波検査 | 子宮筋腫や卵巣腫瘍、内膜症の有無 | 器質的疾患の除外に有用 |
| 内診 | 子宮・卵巣の腫大、圧痛 | 二次性の場合は異常所見を認めることが多い |
| 血液検査 | 貧血や炎症反応の有無 | 症状の重症度や合併症の評価 |
診断は症状と月経歴から行い、必要に応じて超音波検査やMRIなどで器質的疾患の有無を確認する。二次性の場合は基礎疾患の診断が重要となる。
治療
- 第一選択:NSAIDsや低用量エストロゲン・プロゲスチン(LEP)療法
- 補助療法:生活指導、温罨法、漢方薬など
- 注意点:器質性疾患の除外と、長期投薬時の副作用管理
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 子宮内膜症 | 月経時以外の慢性骨盤痛、性交痛 | 超音波やMRIで内膜症病変 |
| 子宮筋腫 | 不正出血や圧迫症状を伴うことあり | 超音波で筋腫を認める |
| 過敏性腸症候群 | 排便異常や腹痛が周期性でない | 消化器症状が主、婦人科異常なし |
補足事項
近年、月経困難症の早期介入が将来のQOL維持に重要とされる。LEP療法は避妊効果もあるため若年女性に選択されやすい。症状が急激に悪化した場合は、器質的疾患の見逃しに注意する。