慢性硬膜下血腫
概要
慢性硬膜下血腫は、頭部外傷後数週間から数か月を経て発症する硬膜下腔の血腫で、高齢者に多い。進行は緩徐で、認知機能低下や片麻痺など多彩な神経症状を呈する。CTやMRIによる画像診断が有用で、治療は穿頭ドレナージが標準的である。
要点
- 高齢者・抗凝固療法中で発症リスクが高い
- 症状は進行性で認知症や片麻痺を呈することがある
- 画像診断と穿頭ドレナージによる治療が中心
病態・原因
頭部外傷後に硬膜下腔の架橋静脈が損傷し、徐々に血腫が拡大する。高齢者では脳萎縮により静脈が牽引されやすく、軽微な外傷でも発症しやすい。抗凝固薬やアルコール多飲もリスク因子となる。
主症状・身体所見
頭痛、認知機能低下、片麻痺、歩行障害、失語、意識障害など多様な神経症状がみられる。症状は緩徐に進行し、脳卒中や認知症との鑑別が重要である。
検査・診断
| 検査 | 所見 | 補足 |
|---|---|---|
| 頭部CT | 低〜等吸収域の半月状血腫 | 慢性期では等〜低吸収、急性増悪時は混在像 |
| 頭部MRI | T1/T2で血腫の信号変化 | 時期により信号が異なる、微小な血腫も検出可 |
画像所見では、脳表に沿った半月状の血腫が特徴的で、慢性期はCTで低吸収となる。診断は画像検査が決定的であり、外傷歴や高齢者での進行性神経症状が診断の手がかりとなる。
治療
- 第一選択:穿頭ドレナージ術による血腫除去
- 補助療法:頭蓋内圧管理、リハビリテーション
- 注意点:再発予防のため抗凝固薬調整や転倒予防が重要
鑑別・比較
| 疾患 | 見分けるキーポイント | 検査差異 |
|---|---|---|
| 急性硬膜下血腫 | 発症が急激、外傷直後から症状出現 | CTで高吸収域の血腫 |
| 脳梗塞 | 局所神経症状が急激に出現 | MRIで虚血領域の高信号 |
補足事項
再発率は10〜20%程度とされ、再手術が必要な場合もある。高齢者では症状が非典型的なことが多く、認知症やパーキンソン症状との鑑別が重要となる。